HOME > 生薬百選 > 【2006年10月号】生薬百選31 海馬(カイバ)


生薬百選31  「海馬(カイバ)」


皆さんは今年の夏、海水浴へ行きましたか?今回は「海馬」という、海に住む生き物の生薬を紹介します。「海馬(カイバ)」とは、タツノオトシゴの一種で、英語では「シー・ホース」といいます。

非常に特徴的な形をした生き物ですが、イカやタコ、またはエビやカニの仲間ではなく、ヨウジウオ科の魚なのです。



海馬(カイバ)


生薬になるのは、主にオオウミウマやイバラタツなどのタツノオトシゴの一種で、捕獲後、内蔵を除いて日干しにします。生薬としての「海馬」は主に強壮を目的として用いられたり、難産の時に粉末にして服用されたりします。

タツノオトシゴの仲間は、海の比較的浅場に住んでいるので、海水浴や釣りなどの時に見かけるかもしれません。動きが遅いため、見つけたときには簡単に捕まえられるみたいですが、年々数が減ってきているそうなので、乱獲しないようにしましょう。




■ 林 克彦(養命酒中央研究所・主任研究員)
兵庫県出身。生薬の成分などを研究しています。最近、子育ての大変さを思い知らされています。