HOME > 生薬百選 > 【2005年3月号】生薬百選6 ショウガ


生薬百選6 「ショウガ」


信州の2月は一年でもっとも苛酷な季節です。一日を通しても気温は零度以下ということが多く、冷蔵庫の中のほうが温かいこともしばしばです。そのため風邪の季節でもあります。

そこで今回はショウガを紹介します。 ショウガ科の多年草で南アジアの原産と言われています。その香りの成分はジンギベレン、あの独特の辛味はジンゲロンとショウガオールです。

ショウガには殺菌作用と食欲増進作用があるため日本では刺身などの薬味としての利用がポピュラーです。一方、西洋ではジンジャーエール等の飲み物や菓子類の香料によく使われ、中国では香辛料として使用されることが多いようです。

ショウガを乾燥したものは生姜(ショウキョウ)といわれ、代表的な「温」の性味を持つ生薬です。この字のとおり体を温め、発汗作用を持つとされています。また、日本最古の医学書とされる医心方では、ショウガは風邪の薬として紹介されています。そのため、漢方薬の処方に頻繁に利用され、皆さんもご存じの葛根湯にも使われています。



写真は 左:ショウガ(生)  右:生姜(ショウキョウ)


民間療法では、ショウガと蜂蜜をお湯で溶いたショウガ湯や生姜紅茶、変わったところでは生姜コーラなどもあるそうです。 ちょっと調子が悪いなと思った時には試してみてはいかがでしょうか?




■ 山下 誠也(養命酒中央研究所・研究担当)
信州諏訪の生まれ。現在一児のとーと(父親)。
この時期にスキーに狂っていたのは昔のこと。ずく(諏訪地方の方言で「やる気」のような意)がなくなって雪山からは遠ざかっています。今年こそは再デビューともくろむが、体力が続くかどうか...