HOME > 生薬百選 > 【2005年1月号】生薬百選4 ウンシュウミカン


生薬百選4 「ウンシュウミカン」


寒い季節、皆様いかがお過ごしでしょうか?
鹿児島出身の私は、年末年始はコタツでミカンです。子供の頃、小鳥を捕るためにミカン畑を走り回っては農家の方に怒られていました。

さて、鹿児島地方の農家では、食べた後のウンシュウミカンの外皮を軒先に干し、これを煎じてショウガやハチミツを加えて飲んでいたのを記憶しています。実は、このウンシュウミカンの皮を乾燥したものが「陳皮(ちんぴ)」という生薬です。中国では薬として健胃消化薬、鎮咳去痰薬とされる漢方処方に配合されています。日本では七味唐辛子の原料のひとつです。



なお、陳皮の『陳』は「古い」という意味で、古い皮(10〜15年もの)ほど効能が高いとされています。




■ 泊 信義(養命酒中央研究所・主任研究員)
鹿児島県出身(1969)。薬用植物の識別と栽培について研究しています。
周囲からは「変わった人」と呼ばれているような気がします。