文明の進化により、暮らしが便利になった一方、その便利さは、冷えを招く要因にもなっています。
例えば、夏に冷房の利いた肌寒い部屋の中で冷たい飲食物を摂り、外からも内からも体を冷やす。
こういった本来の季節感からはずれた生活は、暑ければ熱を逃がし、寒ければ熱をつくり出す、人間本来の体温調節機能を鈍らせてしまいます。
また、平常時の体温の約3割は筋肉から生み出されているため、筋肉量が少ない人は冷えやすくなります。
高齢者や女性が冷えやすいのはそういった理由からです。
低体温の子どもが増えています。
原因は運動不足や不規則な生活により、熱を生み出せない体になってしまうから。
子どものアレルギーも、冷えによる免疫機能の低下と無関係ではないでしょう。
働き盛りの男性にも冷えが広がりつつあります。男性は冷えに無防備な上、偏った食事、運動・睡眠の不足など、よくない生活習慣に陥りがち。
その結果、筋肉量の減少や自律神経の乱れを引き起こし、冷えを招きます。
女性の冷えが子宮トラブルとして現れやすいのに対し、男性は中高年以降に尿トラブルを起こしやすくなります。
高齢者の冷えは、寒さや暑さへの反応が鈍くなり、体温調節機能が低下することに起因します。
熱を生み出す筋肉の減少や体全体の機能の衰えもあり、知らず知らずのうちに冷えやすくなります。