なぜ、7と8の倍数なの?

東洋医学から読み解く、私たちの体の変化

東洋医学の教科書ともいえる文献『黄帝内経(こうていだいけい)』には、「女性は7の倍数」「男性は8の倍数」の年齢の時に節目を迎え、体に変化が訪れるという記述があります。これに基づくと、人の一生のライフサイクルを下のような表で表すことができます。「節目年齢」で、自分の体の変化が早まっていたりしないか、確認してみましょう。

『黄帝内経』長野電波技術研究所 所蔵

●この表は、『黄帝内経素問(こうていだいけいそもん)』の上古天真論(じょうこてんしんろん)と、『黄帝 内経霊枢(こうていだいけいれいすう)』天年(てんねん)篇を資料とし、作成したものです。
●「肝(かん)」「心(しん)」「脾(ひ)」「肺(はい)」「腎(じん)」について詳しくはこちら
●節目年齢には個人差がありますので、表示の年齢はあくまでも目安です。

二千年の時を経た東洋医学の教え

『黄帝内経(こうていだいけい)』は今から二千年前に書かれた書物です。伝説上の帝王である黄帝(こうてい)が問い、医学の師である岐伯(きはく)がそれに答える形式で、東洋医学の思想や養生(ようじょう)=生活の仕方が説かれていきます。
そこには「腎気※(じんき)」から見た体の年齢変化として、女性は7歳から49歳までを7年周期で、男性は8歳から64歳までを8年周期で表したライフサイクルが記されています。

※【腎気】=東洋医学において成長、発育、生殖にかかわるエネルギー 。
詳しくはこちら

現代にも通じる7と8の節目年齢

『黄帝内経による人の体の変化では、女性は49歳で閉経を迎えるとあります。現代の女性の一般的な閉経年齢も50歳前後でほとんど変わりません。女性の体が28歳、男性が32歳でピークを迎えるという点においても、現代の医学的な認識とほぼ同じで、医学が日進月歩している現代においても、二千年前の体の変化が当てはまることが分かります。

年齢のカーブは養生次第で変えられる

黄帝内経による人の体の変化は、表のような年齢カーブになりますが、このカーブは養生次第で、下がり幅の少ない緩やかなカーブに変えることができます。一方で不摂生をしている人の年齢カーブはぐんぐん下降し、老化を加速させます(右上参照)。中高年以降に目指すべきは緩やかな年齢カーブ。現状維持できれば大きなプラスです。

東洋医学にみる「老化」とは?>>

今の自分の体と向き合おう

自分の体は自分が一番よく知っているはずなのですが、若くて最も元気だった頃のイメージが強く残っていると、自分の体への過信から無理をしてしまい、体調を崩してしまうことがあります。まずは今の自分の状態を正確に知ることが大切です。

自分のものさしがないと、人と比較したり、
人のことをうらやましく思ってしまいがち。

加齢に伴う心身の変調をチェックしてみましょう。
次の項目で当てはまるものにチェックを入れてください。

“ものさし”を持つことが大切

節目年齢は自分の体をチェックするための目安になります。もう一方で大切なのは、自分自身の基準を持つことです。体調や体質が千差万別なら、健康の保ち方や加齢への対処法も人それぞれあって当然。そこで必要なのが、自分を客観的に見るための、自分の“ものさし”なのです。自分のものさしを持つと、昨日と今日の自分の体調や気分の変化に敏感になります。変調に早く対応することもできるでしょう。