文明の発達によって便利になった現代の生活は、その副産物として人々に冷えやすい生活習慣をもたらしました。例えば、冷房や冷蔵庫の普及もその1つ。また、体を冷やす作用のある夏野菜や南国の果物などが1年中手に入ったり、シャワーの普及によって湯船に浸からなくなったりするなど、現在のライフスタイルそのものに多くの冷えの原因が潜んでいるのです。
東洋医学で冷えは「冷え症」といい、治療の対象として捉えます。「冷えは万病のもと」といわれるように、体の冷えを放っておくと頭の先からつま先まで様々な不調を引き起こします。手足の先が冷たくなる場合や、腰やお腹に冷えを感じる時もあります。背中がゾクゾクして全身の冷えを感じる場合はかなり進行した状態です。寒い冬は「冷えて当たり前」ではありません。「寒」(下のチェック参照)に傾いた体には「温める」養生(健康法)が必要です。体を内外から温め、冷えを寄せつけないようにしましょう。
何となくだるい、疲れやすい、肩こりが続くといった“健康ともいえないが、病気ともいえない”状態の不調を東洋医学では「未病」といい、病気の一歩手前と捉えます。未病を放置するとやがて病気をもたらします。未病のうちに体調を整えるようにしましょう。