季節の変わり目にご用心

様々なストレスによって自律神経が乱れると
胃腸の働きに不調が起こります。
東洋医学では、自律神経にかかわる「肝(かん)」の
乱れが影響していると考えられています。

自律神経の乱れが胃腸に影響するワケ

自律神経は自分の意思に関係なく、呼吸、心拍、循環、消化などの機能をコントロールする神経です。自律神経には、活動神経である「交感神経」とリラックス神経である「副交感神経」の2つがあり、両者がシーソーのようにバランスをとりながら働いています。
 日々の生活の中でどちらかが優位になり過ぎると、自律神経のバランスが乱れ、その影響は体のあらゆる機能に及びます。胃腸に関しては、消化や吸収、排泄などが正常に機能しなくなり、胃腸の不調症状につながります。

  • ■交感神経が優位になり過ぎる
    胃の働きが鈍くなり、消化力が低下。胃もたれが起きる。
  • ■副交感神経が優位になり過ぎる
    胃酸の分泌が過剰になり胃粘膜を荒らしてしまう。

現代に増えている胃腸の病気

下痢や便秘を慢性的に繰り返す「過敏性腸症候群」や、胃の不快症状を伴う「機能性ディスペプシア」など現代に急増した胃腸疾患。検査では機能的な異常が現れず、ストレスとの関係が指摘されています。

東洋医学でとらえる胃腸トラブル

東洋医学では、人の体を5つの機能に分け、それらを1つのつながりとして見ていきます。自律神経にかかわる「肝」が乱れると、「脾(ひ)」に悪影響を及ぼします。「脾」は胃腸にかかわっており、東洋医学の世界でも、ストレスは胃腸に影響を及ぼすことが示されているのです。体質的に胃腸虚弱の人は、「脾」のエネルギーが不足している「脾虚(ひきょ)タイプ」となります。

■「肝」が乱れると、「脾」に悪影響を与える

「肝」のケアに香りのよい食材を

セロリやみつば、ミントなどの香りのよい食材は、気分をリラックスさせる効果があり、「肝」のケアに有効です。特にストレスが強くかかった時には、「肝」の生薬としても使われる「菊花(菊の花)」のおひたしや胡麻和えがおすすめです。その他、杏仁豆腐の上にのっている赤い実でおなじみの「クコ」も肝のケアに有効です。乾燥したクコをそのまま食べたりお茶にする他、サラダなどにトッピングしてもおいしくいただけます。