生活習慣を見直そう

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生活習慣を見直そう

江戸時代の儒学者である貝原益軒が記した『養生訓』では、
養生とは、“変”に備える術であると述べています。
“変”とは、気候の変化、仕事や人間関係など社会環境の変化、
年齢の変化など、あらゆる変化を含んでいます。
「元気」「病は気から」という言葉にもあるように、
養生には「気」の管理が大切になります。
“変”に対する調整力を維持し、
さらには高めていくことが養生のポイントです。
そのカギを握るのは「気」です。
「気」の働きを整えるために毎日の生活で心がけたいのが、
「睡眠」「食事」「運動」です。

生活習慣を見直す3つのコツ

  • 睡眠のコツ
  • 食養生のコツ
  • 運動・セルフケアのコツ

胃腸ケア

睡眠のコツ

体が疲れていると胃腸が働かず、うまく消化できません。
胃腸の調子が悪く、疲れている時は無理に食事を摂ろうとせず、
まずは眠ることに意識を向けましょう。
質のよい睡眠は「気」を補うと同時に、疲れた「脾」(胃腸)の働きを回復させます。
人間の3大欲は食欲、性欲、睡眠欲です。
ストレスや失恋などで食欲が異常に増した場合は、しっかりと睡眠をとるように心がけ、
食欲を睡眠欲で制することがおすすめです。

自分に適した睡眠時間を

人によって必要な睡眠時間は異なりますが、
深夜2時には熟睡していることが大切です。
そのために、なるべく午前0時前に寝床に入るようにしましょう。
就寝1時間前は部屋の照明を落とし、
読書や静かな音楽鑑賞などで心と体の緊張をときほぐしましょう。
リラックス効果の高い入浴もおすすめ。
寝る直前に入るとかえって体がほてって寝つきが悪くなるので
就寝1~2時間前に38~40度のお湯にゆったりと浸かると
自然な眠気を誘うことができます。
睡眠時間は最低でも6時間は寝るのがよいとされています。
長ければ長いほどよいというものでもなく、ほどほどが大切。
「十分に休息できた」という感覚を大事にしながら、
自分に適した睡眠時間を見つけてください。

睡眠の質を高めるために

就寝3時間前までには食事を済ませ、食べ物が消化されてから寝るのが安眠の秘訣です。
夜に質のよい睡眠がとれない時は、昼寝を活用して「気」をチャージしましょう。
ただし、夜の睡眠に影響がないよう30分程度がおすすめ。
気分のリフレッシュや、その後の集中力アップにも効果的です。

疲れ過ぎると眠れない?

心と体の両方が程よく疲れると、質のよい睡眠を得られます。
そのため体が疲れているのに頭が冴えていたり、またその逆でも、寝つきは悪くなります。
また、眠るにもエネルギー(気)が必要ですが、年を重ねるとエネルギーの総量は自然と減少するため、
誰でも眠りは浅く短くなりがちです。
質のよい眠りを得るには、眠るためのエネルギーを残しておく必要があります。

胃腸ケア

食養生のコツ

食養生の基本は、胃腸に負担のかかる食べ物を避け、旬の食材をバランスよく摂ること。
特に胃腸は冷えに弱いので体を冷やす食材に気をつけ、
「気」を補う食材を積極的に選ぶようにしましょう。
また、食べた物をしっかり体のエネルギー(気)として活用できるよう、
食事時にはリラックスできる環境づくりやしっかりと噛んで食べる意識も大切です。

体を温め、「気」を補う食材例

栄養バランスを整える食べ方

胃腸に負担がかかる食べ物

発酵食品、食物繊維を取り入れる

腹八分目が基本

加齢による“変”に備える食養生

老化に関係する「腎」の働きを補う食材は、
山いもや納豆などの「ネバネバ食品」、黒豆や黒ごまなどの「黒い食材」です。
加えて、塩辛い味覚が「腎」を補うとされますが、塩分の過剰摂取は血圧の上昇などの原因に。
「腎」が過剰になると「心」に悪影響を与えるので、
「心」を補う苦味のにがりが含まれる「岩塩」などの自然塩がおすすめです。
「腎」を養生することは、老化の速度を緩めることにつながります。

「気」を補い、巡りをよくする薬酒

食前酒は胃腸の働きを高め、食欲を増進させると共に、
リラックス効果もあるのでおすすめです。
少量のお酒には、体を温める効果も。
「薬酒」は生薬をお酒に漬け、薬効を抽出した物で、
「お酒」+「生薬」の効果が期待できます。
「気」を補ったり、巡りをよくしたりする生薬の入った薬酒は、
質のよい睡眠をとるためのナイトキャップとしても最適です。

人参(ニンジン) 桂皮(ケイヒ) 鬱金(ウコン) 丁子(チョウジ)

胃腸ケア

運動・セルフケアのコツ

運動して汗をかくと体が温まり、リラックスすることで「気」の巡りがよくなります。
血液循環を促し、体内の老廃物を排出する効果もあります。
貝原益軒の『養生訓』では、「日々朝晩運動すれば、鍼や灸をしなくても、
飲食や気血は滞ることなく、病気にかからない」としています。
ただし、中高年以降になると運動とのつき合い方に注意が必要です。
加齢と共にエネルギーボール(P.8)は小さくなる一方で、運動するには
エネルギー(気)が必要。このことを考慮して、無理のない範囲で行いましょう。

軽い運動を継続的に

理想的な運動法としては、
ウォーキングや犬の散歩などの軽い運動を、
汗が爽快に感じる程度まで毎日行うこと。
ストレッチやヨガも有効です。
毎日が無理な場合は週1日からでもよいので行い、
徐々に頻度や程度を上げていくとよいでしょう。

腸の調子を整えるエクササイズ

ラクラク腹筋

腹筋運動は、インナーマッスルに刺激を与え、
腸を活性化させます。腰部分に座布団などを挟んで行うと
首や腰への負担を軽減し、無理なく行うことができます。
体調に合わせて10~30回行いましょう。

ののじマッサージ

仰向けの状態で両手のひらを重ねておへそに当て、
大きく「の」の字を書くようにゆっくりと
優しくマッサージをします。

ツボ押しで健やかな胃腸をキープ

ツボ押しは体に起こりやすい不快な症状を改善してくれる健康法です。
ツボがあるのは「痛いけれども気持ちがよい場所」。押しながら探しましょう。

POINT 5秒かけてゆっくりと押し、5秒かけて徐々に離します。これをリズムよく5回程度繰り返します。

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