生活習慣を見直そう
胃腸の不調は、全身に様々な症状をもたらします。
ここでは胃腸と関連があるとされる不調(一例)についてご紹介します。
胃腸が弱ると生命エネルギーである
「気」をつくり出す力が不足し、
「気」と関連の深い免疫力も低下します。
西洋医学でも腸は人体最大の免疫器官とされ、
胃腸が弱ると腸内の免疫細胞に影響が及び、
免疫力が低下することが分かっています。
花粉症をはじめ、アレルギーは免疫力の過剰反応が原因。
花粉やダニなどの原因物質が体内に入ると
それらを異物と判断し、排除しようとして
アレルギー反応は起こります。
遅い夕食や過食など、食生活の乱れは
免疫力のバランスを崩し、症状を悪化させる原因となります。
中国最古の医学書『黄帝内経』には
「 感情をうまく出せず、食事が不規則で、
季節がもたらす寒暖の差などに適応できないでいると、
胃腸の消化機能が悪くなって
腸の異常をきたしやすくなる」と記されています。
思い悩み過ぎると情緒をコントロールする
「肝」の働きが乱れて「脾」( 胃腸)に影響が及び、
消化器系の不調が現れます。
西洋医学の研究でも、腸の神経細胞と喜怒哀楽などの
感情が深くかかわっていることが明らかになっており、
腸は「第二の脳」ともいわれています。
眠るにもエネルギー(気)は必要であるため、
食養生で「気」を補うことは、
よい睡眠には欠かせません。
ただ、食べ過ぎたり就寝直前に食事を摂ると
睡眠中にも胃腸が働くことになるため、
安眠の妨げになります。
「脾」(胃腸)は肌と関係があるため、
胃腸の働きが悪いと、
肌荒れやたるみなどの原因になります。
「脾」の不調は「腎」に悪影響が及び、
ホルモンバランスが乱れて月経異常や腰痛、
全身の冷えを招きます。
「腎」は老化ともかかわりが深く、
しみ、しわなどを引き起こすきっかけにもなります。
胃腸の働きが弱っていると
筋肉に栄養が行きわたらなくなり、
柔軟性のあるよい筋肉をつくることができません。
その結果、首をしっかりと支えられなかったり、
血行が滞ったりして、こりを悪化させます。
特に、肩を揉んだり運動してもなかなか解消されない場合は、
胃腸の働きの低下が原因として考えられます。
生命エネルギーである「気」は主に「脾」(胃腸)でつくられる。
胃腸の働きが悪いと、日々のエネルギー(気)をつくり出すことができず、疲れやすくなる。
その結果、簡単にエネルギーになる甘い物に頼りがちに。
甘味は「脾」を補うが、食べ過ぎはかえって疲れを助長するので要注意。
「脾」(胃腸)は吸収した水分を全身に巡らす働きがあるとされるが、
「脾」が弱ると巡りが滞り、体内の水分に偏在が生じる。
この状態は東洋医学で「水毒」と呼ばれる。
「気・血・水」のアンバランスは、いずれも頭痛の原因となるが、
二日酔いや雨、低気圧に伴う頭痛は「水毒」が原因。