HOME > 健康の雑学 > 【2009年7月号】冷え太りの雑学
「涼」をもたらすさまざまな家電と、人間にもともと備わっている冷却機能「汗」についての雑学をおおくりします。
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よく効いたクーラーを、さらに過敏なものにしてしまうもの、それが「汗」です。炎天下でたっぷり汗をかいたままクーラーで冷えた室内に入ると、寒さはさらに増しますよね。肌から「冷え」を感じるようになってしまいます。 そもそも「汗」は、体温を調節する冷却機のような役割を担っています。汗をかかないタイプの人は身体の中に水分が滞り、「むくみ」や「冷え」の症状が出やすいといえるでしょう。ただし「汗をかきやすいタイプだから冷え性とは無縁」というわけではありません。手や足に汗をかきやすいけれど冷えを感じるタイプの人もいます。 汗が分泌されるのは汗腺からです。人間の身体には200万〜500万もの汗腺があります。この数は生まれてから3歳までの環境に左右されるといわれ、熱帯地方では数が多く、寒冷地方では数が少なくなります。ただ、冷房のきいた室内など、汗をかかない環境ばかりで過ごしていると、「休業」業態になってしまう汗腺が増えていきます。その分、「開店」している汗腺に負荷がかかり、効率よく汗をかくことができなくなり、代謝が滞りがちになってしまうというわけです。 そして「汗さえかけば痩せる」というのも迷信のひとつ。サウナに入ったり、炎天下で汗をかいたりすれば、一時的に水分が放出された分だけ体重は落ちます。ただしそれは、体内で栄養がエネルギーに変わって生まれた「熱」で汗をかいているわけではないのでカロリー消費とはなんら関係がありません。 一方「太っている人は汗かき」ということ、これはある意味で当たっています。皮下脂肪が断熱材のような機能を果たすため、体内に熱がこもりやすい。それゆえ身体を冷却させるため、より多くの汗をかく、というわけです。 また、汗をかきすぎれば「多汗症」、汗をかかないと「起立性調節障害」といった自律神経失調症に陥る可能性もあるんです。起立性調節障害は立ちくらみやめまいを誘発し、食欲不振やだるさ、頭痛などの症状を伴います。 なるべく身体を自然の状態で維持するため、程よく汗をかく夏を過ごすよう、心がけてみてください。 |