HOME > 生薬百選 > 【2007年5月号】生薬百選38 よく苡仁(ヨクイニン)


生薬百選38 よく苡仁(ヨクイニン)


最近、長男の胸のあたりに幾つかのブツブツができたので、皮膚科へ連れて行くと「みずいぼ」ですと診断されました。家に帰ってインターネットでこの「みずいぼ」を検索するとハトムギを試されている方が多いことを知り、早速我が家でも試さなければ!と思いました。 というわけで、今回は「よく苡仁(ヨクイニン)」を紹介します。


ハトムギ 花(左),実(右)
ハトムギ 花(左),実(右)


ヨクイニンはハトムギCoix lacryma-jobi Linne var. mayuen Stapf(Gramineae)の種皮を除いた種子のことです。
ハトムギは熱帯アジアが原産のイネ科、ジュズダマ属の植物で、日本では夏ごろに花が咲き、果実が成熟する秋に収穫します。ハトムギとジュズダマは大変よく似ていますが、ハトムギの方が種皮が軟らかいようです。



ハトムギ(左)  ヨクイニン(右)


国内では青森、福島、広島など諸県で栽培されています。また、中国やタイからの輸入品の多くは、健康茶の原料として用いられます。 漢方では解熱、鎮痛及び消炎薬として用いられています。また、民間療法としていぼや肌あれに煎用するなどして用いられているようです。

先日、初めてハトムギ茶を飲んでみました。想像以上に味と香りが良かったので、長男の「みずいぼ」を観察しながら、しばらく続けてみようと思います。




■ 林 克彦(養命酒中央研究所・主任研究員)
兵庫県出身。生薬の成分などを研究しています。
最近、子育ての大変さを思い知らされています。