養命酒ライフスタイルマガジン

研究員のウンチク

木曽路の最北端と栃の巨木

「木曾路はすべて山の中である」。これは島崎藤村の「夜明け前」の有名な書き出しの一節です。この木曽路の最北端は、現在の塩尻市・桜沢であり「是より南 木曾路」の小さな石碑が国道19号線の傍らにあり、その碑の裏には「木曽路はこの桜沢の地より、御坂に至る南二十余里なり」と刻まれています。


石碑と贄川関所

碑から国道を南に少し行くと、贄川(にえかわ)宿があます。木曽十一宿のうち北から1番目に位置した宿場町です。残念ながら昔の面影はほとんどどありませんが、宿場の入り口には贄川関所が復元されています。

さらに南に行くと、長野県の天然記念物に指定さている推定樹齢1000年,樹高33m,根元周囲17.6mにもなる栃の巨木が聳え立っています。この栃の木は県内で最大のもので、千年の長い歴史を刻み込んだゴツゴツした幹の瘤が逞しく、それでいてとても幹肌が美しい樹です。 凛とした樹姿は大自然の営みと大きな生命力を感じさせてくれます。


栃の巨木

木曽路と言えば、『奈良井』、『妻籠』、『馬籠』が有名ですが、この他にも自然が豊で気持ちの良い場所が沢山あります。この夏は雑踏を避け、ぶらぶらしながら木々の緑や川のせせらぎを全身で感じられる、自分だけの癒しの場所を探してみては如何でしょうか?

石塚 康弘(養命酒中央研究所・主任研究員)

先日、42歳になりました。「四十路は全て闇の中・・・」と言う感じで、なかなか光を見出せずにいます。栃の巨木のようにどっしりと構えて人生を過ごして行けたらと思う今日この頃です。