養命酒ライフスタイルマガジン

研究員のウンチク

辰野のホタル

信州伊那谷の入口にあたる辰野町「松尾峡」は、東日本一を誇るゲンジボタルの生息地として知られています。ゲンジボタルの「ホタル前線」は、5月中旬頃に私の故郷鹿児島をスタートし、約2ヵ月かけて生息北限の青森に達するそうです。ここ松尾峡は、毎年6月中旬頃から下旬にかけて、幻想的なホタルの乱舞を一目観ようとする人々で、毎夜賑わいをみせています。子供の頃、私の田舎でも無数のホタルが庭先まで飛んできては、おさな子の「まなこ」を楽しませてくれたものです。 今では、河川や水田の基盤整備等により、生息場所は激変し、もはや昔のような光景を観ることはできないようです。ここ辰野町でも河川の汚染等によりホタルが激減し、絶滅の危機に直面した時期があったそうですが、町全体が一丸となり、ホタルの保護増殖運動を推進してきた結果、現在は昭和30年代のホタル群生状態まで戻ってきているそうです。


ホタルの乱舞 6月16日撮影

伊那谷の名所、宝である松尾峡のホタルの乱舞を機会があったら、是非一度観に来たらいかがでしょうか。初夏の風物詩ホタルの保護の輪が、全国各地で広まってほしいものです。

久本 茂丸(養命酒中央研究所・総務担当)