研究員のウンチク
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- 【2005年4月号】タカトオコヒガンザクラ
タカトオコヒガンザクラ
「たかとほは 山裾の町古き町 ゆきかふ子等のうつくしき町」田山花袋
私は南アルプスの山裾にある高遠町で暮らしています。700年来の歴史を持ち、高遠藩三万三千石の城下町として発展してきました。藩校進徳館をはじめ由緒ある寺院も二十寺余り、2月11日のだるま市や9月23日の灯籠祭りなど情緒ある祭りも魅力のひとつです。
冬は天然のスケートリンクや樹林を散策しながらのクロスカントリー、かんじき歩きを近隣の国立高遠少年自然の家で楽しむことができます。ここ数年はソリ遊びだけでしたので、今年は妻の手ほどきを受けながらクロスカントリーに挑戦したいと思います。
「花を花に来て花の中に坐り」萩原井泉水
高遠城址公園のタカトオコヒガンザクラの花はやや小ぶりで赤みを帯び、その可憐さと1500本以上の樹林は「天下第一の桜」と称されています。仕事帰りに沿道に掲げられた赤ちょうちんに誘われて夜桜を見に行くことも数回、夜はかなり冷え込みますが、花言葉にある「精神美、心の平安」を求めて子供たちにも付き合ってもらっています。例年の見頃は4月中旬から下旬、夜のライトアップも幻想的です。
高遠名物「高遠まん頭」もお忘れなく。しっとりとした皮にあんがたっぷり入っています。老舗亀まんの「亀まん頭」には弊社の家醸本みりんが使われています。
遠藤 信裕(養命酒中央研究所・研究担当)
神奈川県出身。醸造分野を担当する温泉ハンター&貧乏旅行家。