養命酒ライフスタイルマガジン

健康レシピ

腎機能を促進する黒ゴマのお汁粉:「何首烏芝麻糊(ほーさううーちーまーうー)」

材料(4人分)

カシュウ 10g
黒ゴマペースト 160cc
上新粉 大さじ2
黒砂糖 50g
上白糖 50g
800cc

作り方

. 鍋にカシュウを入れて水400ccを注いで中弱火にかけ、半量程度になるまで約15分間煎じた後、濾しておく。

. 1に残りの水400ccを加える。

. 黒ゴマペーストは、使い始めはゴマと油分が分離しているので、スプーンで底からよく混ぜておく。

. 鍋に3を入れ、2を100ccくらいずつ注ぎながら黒ゴマペーストを練る。練っていくと途中で一度、もったりとゴマが硬くなるが、構わずにこれを繰り返す。何度かやるうちだんだんスムーズになってくる。水を一気に加えず、丁寧にひと手間かけて練ることで仕上がりがなめらかになる。

. 2を全部加えたら、中弱火にかけてひと煮立ちさせる。

. 沸騰したら弱火にして、黒砂糖と上白糖を加えて溶かす。

. 大さじ4の水で溶いた上新粉を加えてさらに混ぜ、とろみがついたらできあがり。お碗に注いでレンゲで食べる。

数年来の寒波が襲来しています。

大雪に見舞われた地方も多く、しんしんと底冷えのする厳しい寒さに悩まされる毎日。
例年以上に冷えには注意したいものです。

漢方で冬の寒さは、腎に影響を与えるといわれています。西洋医学でいう腎臓は排尿をコントロールする臓器ですが、漢方でいう腎は体内の水分バランスを整えるだけでなく生命力をつかさどり、人が成長し発育するためのエネルギーを支配する「生きるために重要な臓器」と考えます。そのため、腎が弱まると老化が気になってくるのです。

そこで、腎機能を活発にするといわれる何首烏を使って、体をやさしく温める黒ゴマのお汁粉を作りました。デザートでほっこりしながら、弱まりやすい腎の機能を促進して寒さをおいしく乗り切リましょう。

今月の食材:何首烏(ほーさううー)「何首烏/カシュウ」

タデ科の多年草、ツルドクダミの魂根を乾燥させたものです。
「何」の字を抜かして首烏(シュウ)と呼ばれることもあります。独特の甘さと舌に残る苦みが特徴で、体の中から温めてくれる温性食材です。漢方では補血と強壮効果があり、肝と腎に精と血を補うアンチエイジング効果が信じられています。

中国では楊貴妃の時代から、黒くふさふさでつややかな髪を作るのに欠かせない生薬として、美容面での効能が根強く伝えられてきました。
たくさん使いすぎたり、カシュウをそのまま残してしまうとえぐみが気になりますが、煎じた汁のはんなりした苦みはお汁粉の甘みをすっきりさせてくれるのです。

デザートのほかにはスープや煮込み料理にも使われています。

カシュウ入り黒ゴマのお汁粉

黒ゴマがなんとも香ばしい、心も体もぽかぽかになるやさしい味のお汁粉です。

医食同源の香港で黒ゴマのお汁粉は、伝統的な家庭デザートのひとつとして人気があり、肝と腎に気血を補うので黒髪をつややかにする効果が信じられています。そこでこのお汁粉に、さらに体を温めて腎の機能をサポートするカシュウの煎じ汁を加えました。
昔ながらのレシピでは、炒った黒ゴマと水に浸した米をなめらかになるまで擂ってから煮込むので、ぽってりした重いとろみが特徴です。

今回は黒ゴマペーストと上新粉で作る簡単レシピ。黒砂糖を使用して、まろやかな甘みを加えました。陶器のお碗に注ぎ、レンゲですくって食べるのが地元風です。
とろみは上新粉の量を加減して好みで調節、白玉やお餅、意外なところでは豆腐を加えてもおいしくいただけます。ただしカロリーがとても高いので、食事制限のある人は注意しましょう。