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夏の免疫力ダウンを防ぐ免疫力アップ習慣!

どんどん暑さが増していくこの季節は、身体にさまざまなストレスがかかるので、免疫力が低下しやすくなります。身体を守る免疫力がダウンすると、夏風邪や食中毒など、さまざまな感染症にかかりやすくなってしまいます。そこで今月は、免疫予防医学のスペシャリストに、日常生活の中で免疫力を上げるコツを教えていただきます。

飯沼 一茂先生
お話を伺った先生
医学博士 純真学園大学客員教授
飯沼 一茂先生

日本免疫予防医学普及協会代表。1948年生まれ。1971年立教大学卒業後、ダイナボットRI研究所(現:アボットジャパン合同会社)入社。1987年大阪大学医学部にて医学博士取得。2008年よりアボットジャパン上級顧問。2010年より国立国際医療研究センター・肝炎免疫研究センター客員研究員、2012年からは純真学園大学客員教授も務める。『それでは実際、何をやれば免疫力があがるの?』(ワニブックス)などの著書がある。

  • 著書
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夏は免疫力が下がりやすい!

夏は冷たいものの摂り過ぎやエアコンによる冷えなどによって、自律神経やホルモンバランスが乱れたり、睡眠不足になりやすかったりと、免疫力が下がりがちです。夏に免疫力を下げる主な原因には次の6つが挙げられます。

原因1
冷たい飲食物の摂り過ぎで腸冷え

夏は、冷たい飲み物や麺類やアイスクリームなどを多く摂るので、腸が冷えて働きが低下してしまいます。免疫の約60~70%は腸にあり、腸の働きが落ちれば免疫力も当然下がります。また、腸が冷えると血行が悪くなって体温も下がります。体温が1℃下がると免疫力は30%も下がるといわれています。冷たいものを摂った後は、温かい白湯などを飲むことで、腸の冷えによる免疫力低下を防ぎましょう。

原因2
食欲が落ちて栄養バランスが悪くなる

夏は食欲が落ちやすいので、食事の量や種類が減って、栄養バランスが悪くなりがちです。栄養バランスが悪くなると、腸をはじめ、全身の機能が落ちて免疫力も低下してしまいます。腸の免疫力を上げるためには、納豆やみそ汁など、発酵食品を多く摂りましょう。また、栄養バランスをよくするためには免疫力アップに役立つ、ビタミンB1が豊富な豚肉もおすすめです。

原因3
夜更かしや熱帯夜で睡眠不足に

夏は日が暮れるのが遅いので、夜更かしをしがちです。また熱帯夜で寝苦しかったり、逆にエアコンで寝冷えしたりして、眠りの質も悪くなりがちです。睡眠不足が続けば、自律神経が乱れて免疫力が落ちてしまいます。免疫力が最も高まるのは、夜10時から深夜2時なので、あまり夜更かしせず、この時間帯に寝ることが大切です。また、就寝中のエアコンの温度設定は27~28℃を目安にしましょう。

原因4
日光の浴びすぎも避けすぎもNG

日差しが強い夏は、紫外線対策を怠ると日焼けで皮膚が炎症を起こして免疫力が下がります。ただ、日除け対策を徹底するあまり、まったく日光を浴びないのも問題です。なぜなら、日光浴をまったくしないと、免疫強化に役立つビタミンDが体内で生成されず、免疫力が下がってしまうからです。日の当たる窓辺にいるだけでもかまわないので、1日15分程度は日光を浴びるようにしましょう。

原因5
エアコンの寒暖差ストレス

夏は高温の外気と、エアコンで冷えた室内との寒暖差が激しく、自律神経が疲れます。また、エアコンの効いた室内に長時間いて身体が冷えることも大きなストレスになります。ストレスを感じると、ステロイドホルモンが分泌され、免疫力を低下させてしまいます。夏だからと薄着になりすぎず、寒暖差に応じて脱ぎ着しやすい服装にしましょう。

原因6
シャワーだけの入浴

夏に限ったことではありませんが、湯船に入らず、シャワーで済ませがちな人は多いかもしれません。しかし、シャワーだけではエアコンなどで冷えた身体が十分に温まらず、体温も上がりません。体温が下がれば、免疫力も必然的に下がってしまいます。夏でも湯船に浸かることで、免疫力を上げることができます。冷えた身体を温めるためにはシャワーではなくお風呂に入るようにしましょう。

毎日の習慣をちょっと変えるだけ!
夏の免疫力アップ習慣クイズ

免疫力アップ習慣1
朝の歯磨きは、朝食前 or 朝食後 のどっちがいい?

正解は朝食前です。寝る前に歯を磨いて寝ても、口腔内には菌が1,000億個から2,000億個ぐらい残っています。朝起きたときには、さらに増殖して1兆個もの菌が口腔内にいるといわれています。唾液が出ている日中は口腔内細菌が殺菌されていますが、睡眠中は唾液があまり出ないので、どうしても菌が増えてしまうのです。歯を磨かずに朝食を食べれば、これらの菌を体内に摂り込むことになり、免疫機能に悪影響を与えます。朝食前に歯を磨くことで、歯周病や口臭予防はもちろん、免疫力低下も防げるのです。

免疫力アップ習慣2
ウォーキングは 1日8千歩 or 2万歩 のどっちが理想的?

正解は1日8千歩です。通勤や買い物、散歩、室内での歩数も含めて1日8千歩を目安に歩くことで血行がよくなり、血液中の免疫細胞の働きが高まります。逆にがんばってたくさん歩きすぎたり、暑い中でジョギングしたりすると、かえって免疫力が下がってしまいます。あまりハードに動くと免疫力の回復に時間がかかるので、無理せずマイペースで歩くことが大切です。

免疫力アップ習慣3
フレッシュなバナナ or 茶色い斑点が多いバナナのどっちが免疫力を上げる?

正解は茶色い斑点が多いバナナです。茶色い斑点はシュガースポットと呼ばれ、甘みが増しているサインであり、免疫細胞の白血球を増やす効果が、フレッシュなバナナの約5倍も高くなるといわれています。フレッシュな黄色いバナナを買ってきてもすぐに食べず、常温で数日置いて茶色い斑点が出てから食べるのがおすすめです。

免疫力アップ習慣4
辛いもの or 甘いもののどっちが免疫を上げる?

正解は、辛いものです。辛いものは腸を温め、免疫力を上げるのに役立ちます。例えば、生のショウガに含まれる辛味成分には、免疫細胞の白血球を増やす働きがあります。また、コショウやトウガラシに含まれる辛味成分は、全身の代謝を促し、免疫力を高めるサポートをしてくれます。これらを常備しておき、ショウガを紅茶に入れたり、トウガラシやコショウをみそ汁に入れたり、辛いものを積極的に摂り入れるようにしましょう。

免疫力アップ習慣5
ヨーグルトを食べるベストタイムは 朝食後 or 夕食後

正解は夕飯後です。朝は食べたものを排せつし、昼は食べたものを消化して栄養補給し、夜は栄養を吸収するという生体リズムがあります。夕食後にヨーグルトを食べると、眠っている間に善玉菌が腸内環境を整えてくれます。腸は免疫力アップの要なので、腸内環境がよくなることで免疫力アップに役立つのです。
腸を冷やさないためには、約40℃に温めたホットヨーグルトがおすすめです。

免疫力アップ習慣6
免疫力を上げる入浴は 40℃に10分 or 42℃に5分

正解は40℃に10分です。体温よりやや高い40℃に10分ほどゆったり浸かることで、芯からあたたまって体温が上がります。それによって血行やリンパのめぐりがよくなり、免疫が働きやすくなります。42℃に5分では、肌の表面が赤くなるだけで、芯まで温まらないので体温も上がらないのです。
重炭酸泉の入浴剤を湯船に入れると、血管拡張物質といわれる一酸化窒素(NO)が分泌されるので、血行がよくなって体温がより上がりやすくなります。

免疫力アップ習慣7
睡眠の質を高めるのは、ほんのり間接照明 or 真っ暗

正解は真っ暗です。ほんのり間接照明がついていたほうがリラックスするように思われがちですが、逆にリラックスできず睡眠の質が悪くなります。なぜなら、部屋に明かりがあると交感神経が優位になって緊張状態になり、眠ってもあまり疲れがとれないからです。逆に真っ暗だと、副交感神経が優位になってリラックス状態になり、質のいい睡眠をとることで免疫力を回復できます。
ただし、朝は起床と同時にカーテンを開けて朝の光を浴びましょう。それによって体内リズムにスイッチが入り、免疫に欠かせない良質な睡眠サイクルを作ることができます。

日々のちょっとした生活習慣を変えることだけで、免疫力を上げることができるなら、実行しない手はありませんよね。ぜひ今日から早速、免疫力アップ習慣を心掛けてみてください。

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