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血行を促進してぐっすり快眠 今すぐできる!血管アンチエイジング習慣

寒い季節になると、血行が悪くなって手足が冷え、不眠に悩まされる人が増えます。冷えを改善するには、衰えた「血管」を鍛えることが大切です。今月は「血管」のスペシャリストである島田和幸先生に、血行促進に欠かせない血管のアンチエイジングにつながる簡単習慣を教えていただきます。

島田 和幸(しまだ かずゆき)先生
お話を伺った先生
島田 和幸(しまだ かずゆき)先生

東京大学医学部卒業後、同大学第三内科、米国タフツ大学、ニューイングランド・メディカルセンター、高知医科大学、自治医科大学付属病院院長などを経て、新小山市民病院理事長兼院長を務める。高血圧、心不全、不整脈など、血管病の予防・治療を専門とする循環器内科で臨床と教育に努めてきた権威で、高齢者の疾患に精通している。『内皮細胞が活性化する食習慣で一生切れない、詰まらない「強い血管」をつくる本』(永岡書店)など著書多数。

血行は全身を温める「エアコン」に似ている!?

気温が下がってくると、「手足の冷えで眠れない……」という人が増えます。その一因は血行不良にあると考えられます。なぜなら血液は血管を通して、全身に栄養や酸素と共に「熱」を分配する役割を担っているからです。血管を通して温かな血液を身体の隅々にまで送り届けて体温を維持する血行は、いうなれば「エアコン」に似ています。体温は筋肉が動くことによっても上がりますが、寝るときは筋肉をほぼ使わないので、血行が悪いと末端に温かな血液が行き渡らず、冷えて寝つけなくなってしまうのです。

血行のイメージ画像

チェックテスト
あなたの「血管年齢」はどのくらい?

血管が衰えると、血行も悪くなります。血管は衰えていても一見気づきにくいのですが、生活習慣によって衰え方が大きく左右されます。次のチェックテストで、あなたのおおよその血管年齢がわかります。あてはまるものにチェックを入れてください。

  • check Q1. 早食いで、満腹になるまで食べる
  • check Q2. 野菜をあまりとらない
  • check Q3. パスタや丼ものなどをよく食べる
  • check Q4. 運動をあまりしない
  • check Q5. 以前より明らかに太ってきた
  • check Q6. ストレスが多い
  • check Q7. 血圧が高め
  • check Q8. 血糖値が高いといわれる
  • check Q9. 長年喫煙している
診断!

Q1~Q6=1点、Q7~Q9=2点として、チェックを入れた項目の合計点数を出してください。

3点以下の人…青信号
実年齢+5歳以内
実年齢に近い血管の状態といえます。今の生活習慣をキープしましょう。
4点~8点の人…黄信号
実年齢+10歳ほど
実年齢より血管の老化が進んでいる可能性があります。今の生活習慣を見直す必要があります。
9点以上の人…赤信号
実年齢+15歳以上!
実年齢より確実に血管の老化が進んでいます。生活習慣を改善するのはもちろん、高血圧や高血糖の人は循環器の専門医に早めに診てもらいましょう。

血流をよくする決め手は
血管のアンチエイジングにあり!

血流は「1. 自律神経」「2. ホルモン」「3. 血管」という3つの働きによって調整されています。そのバランスには個人差があり、いずれも加齢で衰えていくのが自然の摂理です。

  1. ストレスの多い生活を送っている人は、自律神経のバランスが崩れて血行不良になっていることがあります。腹式呼吸やヨガなどでリラックスすることで、副交感神経を優位にして、血流をよくすることができます。
  2. 血流に関わるホルモンについては、残念ながら自分で努力して分泌量を調整することが難しいといえます。
  3. 血管については、生活習慣を改善することで、老化のスピードを遅らせることが可能です。血管のアンチエイジングによって、冷えからくる不眠はもちろん、身体全体の老化予防にもつながるのです。

今日から始められる
4つの「血管アンチエイジング習慣」

血管の若さを保つために最も重要なのは、「食習慣」の見直しです。食習慣は急に変えても続けることが難しく、毎日の食事内容を地道に変えていくほうが習慣化しやすいといえます。

習慣1 攻めの減塩

塩分過多は血管を傷める元凶になります。長く続けるためには、日々の塩分摂取量を落とす「攻めの減塩」を実践しましょう。わずか1gでも減塩すれば、年間で365g=小さじ約61杯分も塩分をカットできます。

意外と塩分が多い食材に注意!

漬物、梅干し、しらす干し、たらこなど、魚の塩蔵食品はもちろん、かまぼこなどの練り物、ハムやベーコンといった肉の加工食品も意外と塩分が多いので、食べる分量を意識的に減らしましょう。

調味料の分量を減らす!

調味料の塩分量目安は、塩小さじ1=塩分約6g、しょうゆ大さじ1=塩分約3g、ウスターソース大さじ1=塩分約1.5gです。目分量ではなく、計量スプーンを使うようにすると、塩分をきっちり減らせます。また、普通のしょうゆを「だし割りしょうゆ」に変えるだけでも減塩できます。

習慣2 守りの減塩

減塩のためには、塩分量を減らす「攻めの減塩」だけでなく、体内の余分な塩分を排出しやすくするミネラルや食物繊維を十分にとる「守りの減塩」も有効です。

ミネラルと食物繊維で余分なナトリウムを排出!

カリウムには腎臓でナトリウムの再吸収を抑えて、尿と一緒に排出する働きがあります。カリウムの多い大豆食品、イモ類、カボチャ、ほうれん草などを摂取することで、余分な塩分を体外に排出できます。また、乳製品や大豆食品などに多いカルシウムやマグネシウムも、カリウムの塩分排出を助けます。
さらに、モロヘイヤやオクラ、リンゴなどに多い食物繊維(水溶性)にも、腸内の過剰なナトリウムを包み込んで排出を促す働きがあります。冬はこれらの食材をたっぷり摂取できて、身体も温まる「鍋料理」がおすすめです。

習慣3 ストレッチ&ウォーキングで血管力アップ!

血管力を鍛えるためには、運動も必須です。ストレッチやウォーキングなどをすることで血流がアップし、血管の内皮細胞によい刺激になります。それによって血管の細胞が活性化され、血管が強くなるのです。動くことでメタボの解消や血糖・血中脂質の改善も期待でき、ドロドロな血液が血管をいためるのを防ぐことにも役立ちます。

通勤時間を利用して運動

忙しい人は運動時間をあえて作ろうとすると続かなくなるので、通勤時などに上手に組み込むようにしましょう。
例えば、通勤時に早足&大またでウォーキングしたり、エレベーターを使わないようにしたり、電車内では立つようにするといった小さな習慣の積み重ねによって、日々の運動量を簡単に増やせます。

習慣4 就寝約1時間前に入浴

冬は熱いお風呂に入りたくなりますが、湯温が熱すぎると血管に負担がかかり、血圧が上がってしまいます。これを避けるためには、42度以下のお湯に10分未満でつかる入浴を目安にしましょう。
入浴後1時間ほどで徐々に体温が下がってきて眠りにおちやすくなるので、就寝の約1時間前に入浴するのがおすすめです。

血管アンチエイジング習慣を続けて血行促進!

ご紹介した血管アンチエイジング習慣を今日から毎日続ければ、確実に血管力を鍛えられて血行がよくなります。もちろん、冷えも改善されて肌寒い秋の夜長でもポカポカぐっすり快眠できます!

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