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眠れない夜は、ココを押そう!スーッと眠りに誘う「快眠ツボ」
「手足が冷えて眠れない」「緊張して眠れない」「寝ようと焦ると余計に眠れない」―― そんなお悩み別に、即効で眠くなる「快眠のツボ」を鍼灸のスペシャリストに教えていただきます。
- お話を伺った先生
- 目白鍼灸院副院長
目白漢方薬店店長
藤井直樹先生
1973年東京生まれ、1998年北京中医薬大学中医系本科卒業。北京中日友好病院、北京東直門病院、北京宣武門病院などで臨床研修。2002年に東京衛生学園専門学校を卒業、鍼灸国家資格を取得。がん専門病院でがん患者の鍼灸治療に携わったあと、目白鍼灸院へ。『病気にならない全身の「ツボ」大地図帖』(三笠書房)などの著書(共著)がある。
なぜツボを押すと不眠を緩和できるの?
東洋医学では、人体には「気(生きるためのエネルギー)」と「血(血液)」の通り道である「経絡(けいらく)」が張り巡らされていると考えられており、「ツボ」とは経絡上にある気の出入り口のことです。ツボにはそれぞれ対応した内臓や器官があり、ツボを押すことで、それに対応した身体箇所に刺激が伝わるため、不眠の原因となっている不調が緩和されるのです。症状に合わせて、複数のツボを押すことで相乗効果が期待できます。
セルフチェックテスト
あなたが眠れない原因は?
まず、下の1~8の中から、自分の眠れない原因をチェックしてみてください。
- 1. 不安や緊張で眠れない
- 2. 考えごとで目が冴えて眠れない
- 3. 肩や首が凝って眠れない
- 4. 身体が冷えて眠れない
- 5. 鼻が詰まって眠れない
- 6. トイレが近くて眠れない
- 7. 胃腸に不快感があって眠れない
- 8. 身体がだるいのに眠れない
診断
あなたはこの不眠タイプ!
セルフチェックの結果はいかがでしたか?
- 1, 2にチェックを入れた人は
- 「イライラ不眠タイプ」
- 3にチェックを入れた人は
- 「ガチガチ不眠タイプ」
- 4にチェックを入れた人は
- 「ヒエヒエ不眠タイプ」
- 5にチェックを入れた人は
- 「鼻づまり不眠タイプ」
- 6にチェックを入れた人は
- 「頻尿不眠タイプ」
- 7, 8にチェックを入れた人は
- 「ダルダル不眠タイプ」
ツボ押し効果を上げるための5つのポイント
タイプ別の快眠ツボをご紹介する前に、ツボ押し効果を上げるポイントを要チェック!
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point 1
不眠緩和のためのツボ押しは、寝る直前より、寝る30分~1時間前に行うのが理想的。
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point 2
照明を落とし、快適な室内温度の中でツボ押しを。布団の上でもOK。ツボ押し前の過度の飲酒や、テレビを見ながらのツボ押しはNG。
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point 3
快眠するためには脳をリラックスさせる必要があるので、ツボの正確な場所探しにがんばりすぎない。ツボには個人差もあるので、軽く押して気持ちよい所ならOK。
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point 4
強く押しすぎると脳がかえって覚醒してしまうので、ちょっと気持ちいい程度の優しい押し方を心がけて。
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point 5
ツボ押しは深呼吸しながら行う。息を細く長く吐きながら、身体の中の余分なものを出すような気持ちでツボを押し、ゆっくり息を吸いながら圧迫をゆるめる。これを約10回繰り返す。
タイプ別おすすめ「快眠ツボ」
どの不眠タイプにもおすすめの「基本ツボ」から、各不眠タイプ別の「快眠ツボ」まで、自分で押せるとっておきのツボをご紹介!
全ての不眠タイプにおすすめの「基本ツボ」はこれ!
どのタイプの人もまず「基本ツボ」の「労宮」と「失眠」を押してください。そのあと各症状に合わせたタイプ別のツボを押し、余裕があれば、再度この2つの基本ツボを押すのが理想的です。
労宮(ろうきゅう)
精神に働きかける作用のあるツボ。手のひらに「の」の字を書いて飲み込むリラックスのためのおまじないも、労宮を刺激して心を静める動作といえます。
失眠(しつみん)
不眠緩和の代表的なツボ。お灸もおすすめです。かかとを湯たんぽにのせて軽く温めるだけでもツボ刺激になります。
緊張や不安で眠れない「イライラ不眠タイプ」におすすめ快眠ツボ
百会(ひゃくえ)
精神不安を抑えて心を落ち着けるのに役立つといわれます。
膻中(だんちゅう)
精神不安で呼吸が浅く、動悸がする時におすすめです。
肩や首が凝って眠れない「ガチガチ不眠タイプ」におすすめ快眠ツボ
完骨(かんこつ)
不眠や首のこりの緩和におすすめです。
安眠(あんみん)
自律神経を休息モードにして、文字通り安眠に導いてくれます。
身体が冷えて眠れない「ヒエヒエ不眠タイプ」におすすめ快眠ツボ
関元(かんげん)
血行促進や利尿に役立つといわれます。
三陰交(さんいんこう)
最も知られるツボのひとつで、冷え改善や胃腸の調整などさまざまな不調に役立ちます。女性に多い貧血気味で眠れないタイプにもおすすめ。お灸も効果的です。
鼻が詰まって眠れない「鼻づまり不眠タイプ」におすすめ快眠ツボ
印堂(いんどう)
鼻のトラブルや頭痛、めまいの緩和、神経を落ち着かせるのに役立ちます。
迎香(げいこう)
鼻の通りをよくする効果が期待でき、鼻炎や花粉症にも欠かせません。
トイレが近くて眠りが浅い「頻尿不眠タイプ」におすすめ快眠ツボ
中極(ちゅうきょく)
膀胱のさまざまなトラブルを緩和するのに役立ちます。
懸鐘(けんしょう)
膀胱の過活動や、足の冷え、坐骨神経痛など足の神経痛の緩和に役立ちます。
食べ過ぎや疲れで眠れない「ダルダル不眠タイプ」におすすめ快眠ツボ
足三里(あしさんり)
松尾芭蕉の『奥の細道』にも出てくるツボで、足の疲れや食べ過ぎによる胃の張りなど、などさまざまな不調に役立つといわれています。
内関(ないかん)
内関の「内」は内臓を意味し、消化機能の改善に役立ちます。
ツボ押しは布団の中で横になりながらできるので、押している最中に眠くなってきたらそのまま寝てしまってもOKです。寒い季節は、ツボのまわりを湯たんぽやシールタイプのカイロなどで温めるのもおすすめ。不眠でお悩みの方は、ぜひ就寝30分~1時間前のツボ押しを習慣化してみてください。
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