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  • 【2016年2月号】 肩こり、疲れ目、ストレスなどの不調を改善!すぐ押せる「顔ツボ」10選!

肩こり、疲れ目、ストレスなどの不調を改善!すぐ押せる「顔ツボ」10選!

肩こり、腰痛、疲れ目、ストレス…全身の不快な症状が、「顔ツボ」を押すだけで改善するって本当?! 今月の元気通信では、顔色や顔の吹き出物などから体の不調を探る方法と、さまざまな不調緩和に役立つ「顔ツボ」を厳選してご紹介します!

お話を伺った先生

目白鍼灸院副院長
中医師・鍼灸師
藤井 直樹 先生

1973年東京生まれ、1998年北京中医薬大学中医系本科卒業。北京中日友好病院、北京東直門病院、北京宣武門病院などで臨床研修。2002年に東京衛生学園専門学校を卒業、鍼灸国家資格を取得。がん専門病院でがん患者の鍼灸治療に携わった後、目白鍼灸院へ。『病気にならない全身の「ツボ」大地図帖』(三笠書房)などの著書(共著)がある。

なぜ顔ツボを押すと、体の不調が改善するの?

東洋医学では、ヒトの身体には「気=生きるためのエネルギー」と「血(けつ)=血液」の流れる一定の通り道である「経絡」が張り巡らされていると考えます。いわゆる「ツボ」とは、この経絡上にある気・血の出入り口に相当する「経穴(けいけつ)」のことです。全身には約360のツボがあるといわれ、頭部には70以上、顔面には60以上のツボが集まっています。経絡にはそれぞれ対応する内臓があり、顔をはじめ、身体の表面にあるツボと連絡しあっています。そのため、ツボを押すことで、それに対応した内臓に刺激が伝わって不調が緩和されるのです。

全身の隠れたトラブルは顔に出る?!

身体の内側の不調は、身体の表面の関連するツボに何らかのシグナルとして表れます。顔の場合は、顔色や、額だけ汗をかくといった局所の発汗、吹き出物、色素沈着などとして、外から見えやすい形で表れるため、「望診(ぼうしん)※」のポイントになります。(※東洋医学では、顔や体の状態を見て不調の原因を診断することを「望診」といいます。他に聞診、問診、切診があり、合わせて「四診(ししん)」といいます)

顔診断で体調チェック!

【チェック1】
あなたの顔色はどれに近い?

<赤っぽい>
高血圧や炎症性の疾患で発熱していたり、脱水している可能性があります。特に鼻だけ赤っぽい人は、胃腸に熱を持っている場合が多く、飲酒や過食が原因と考えられます。
<黄色っぽい>
胃腸虚弱による鉄欠乏性貧血や、消化器系の病気、出血性の疾患による貧血傾向、または慢性疾患などの可能性があります。黄疸(おうだん)が出ている場合は、白目が黄色く見えます。極端な偏食などで貧血傾向の方は、顔色が黄色くなりがちです。
<白っぽい>
心肺虚弱や血行不良の可能性があります。血圧の低下、気血の不足、冷え症、脾(胃腸など)の虚弱な人によく見られます。
<黒っぽい>
地黒や日焼けの黒さとは異なる、ツヤのない黒っぽい顔色は、肝臓疾患、腎疾患の可能性があります。また、血液の循環不良や停滞、長患いをしている人にも見られます。

【チェック2】
吹き出物は“熱”のサイン?!

次のような吹き出物が出ている場合は、東洋医学では「熱証(※)」と考えます。食べ過ぎ飲み過ぎや長風呂を控えるようにしましょう!(※熱証とは体を温める作用が強い状態で、胃熱、湿熱、風熱など、症状によって原因が異なります)

<口の周りやほほに赤いブツブツ>
暴飲暴食や刺激物、甘いものの摂り過ぎで胃腸に熱がこもっている「胃熱」の可能性があります。
<じゅくじゅく湿った吹き出物>
お酒などの飲み過ぎで身体の水分が多くむくんだ状態で、体内に熱が加わった「湿熱」の可能性があります。
<乾燥した湿疹>
アレルギーなどが原因で、外からの熱が身体の表面に影響を及ぼして体表に熱がこもる「風熱(ふうねつ)」の可能性があります。

【チェック3】
クマ、シミ、唇の荒れの意外な原因とは?

<目の下にクマがある>
ホルモンや生殖、泌尿器に関わる機能の低下や、ストレスによる気の滞りが考えられます。更年期で手足や下半身が冷えて上半身は熱い場合は、足湯がおすすめ。
<顔にシミがある>
血が不足している「血虚」、気が滞っている「気虚」、老化で全身が衰えている「腎虚」などが原因と考えられます。
<唇が荒れている>
血が足りない「血虚」、水毒による「痰濁(たんだく)」、水分不足による「陰虚」が原因と考えられます。

体の不調を改善する顔ツボ10選!

身近な不調に役立つ顔ツボをご紹介します。顔の皮膚は繊細なので、強くこすったりせず、気持ちよく感じる程度の力で押すようにしましょう。

【顔ツボ1】肩こり改善!

顔の側面にある「懸釐(けんり)」「率谷(そっこく)」「浮白(ふはく)」の3点は、肩や首のコリに効果があります。ピンポイントで3点のツボを押せなくても、耳の上を指でもむだけでOKです。

「懸釐(けんり)」「率谷(そっこく)」「浮白(ふはく)」

【顔ツボ2】頭痛改善!

肩こりからくる「緊張性頭痛」は、眉尻と目尻の間の近くにあるくぼみにある「太陽」のツボを中指で押すと、痛みが和らぎます。

「緊張性頭痛」

【顔ツボ3】鼻づまり改善!

小鼻のすぐわきにある「迎香(げいこう)」のツボを両手の中指で押すと、鼻の通りがよくなります。

「迎香(げいこう)」

【顔ツボ4】疲れ目&ドライアイ改善

眼頭にある「晴明(せいめい)」のツボを、親指と人差し指でつまむように押すと、目の周りの血流がよくなり、眼精疲労や充血、ドライアイが解消されます。

「晴明(せいめい)」

【顔ツボ5】口臭&ドライマウス改善

あごの下の骨のくぼみ「上廉泉(じょうれんせん)」を親指で押し上げるように刺激すると、唾液がじわっと出てきます。唾液の分泌が促されることで、口が渇いて舌がもつれるドライマウスの改善や、口臭予防に役立ちます。

「上廉泉(じょうれんせん)」

【顔ツボ6】歯痛改善!

耳たぶの付け根から指4本開けた所にあるほほのくぼみを「下関(げかん)」のツボといいます。ここを中指で押すと、歯や歯茎の痛みを素早く緩和できます。痛みが消えるポイントを指で押しながら探りましょう。

「下関(げかん)」

【顔ツボ7】耳鳴り改善

耳の付け根の軟骨の突起の前にあるくぼみは「聴宮(ちょうきゅう)」という耳の周りの血流をよくするツボです。耳鳴りや耳づまりなどの不調を感じたら、中指の腹で押してください。

「聴宮(ちょうきゅう)」

【顔ツボ8】腰痛改善!

鼻と上唇の中間にある「水溝(すいこう)」または「人中(じんちゅう)」というツボを中指で20〜30秒押すと、脳が覚醒して腰痛を一時的に緩和させることができます。

「水溝(すいこう)」または「人中(じんちゅう)」

【顔ツボ9】胃痛改善!

こめかみの外側にある「頭維(ずい)」のツボを中指で押すと、胃の働きに関わる胃の経絡の気の流れがよくなるので、胃痛を緩和する助けになります。

「頭維(ずい)」

【顔ツボ10】ストレス改善!

眉間にある「印堂」のツボは、背骨に沿っている督脈(とくみゃく)という重要な経絡につながっています。ここを中指で押すと、ストレスで緊張した気持ちがリラックスします。

「印堂」

顔に表れる不調のサインを見逃さないようにしたいですね。顔ツボはいつでもどこでもすぐに押せるので、不調を感じたらぜひ試してみてください。

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