生薬百選
生薬百選21
独活(ドッカツ)
一般に漢方では、数種の生薬を組合せた処方(例 葛根湯)が疾病治療に使われ、生薬単独で用いられることは多くはありません。処方に組まれる生薬は繁用生薬と呼ばれ、約400種類があり、「独活」も有名な「独活寄生湯」を構成している主薬の一つです。
独活寄生湯は独活、桑寄生を中心に15種の生薬からなり、虚弱者の「風寒湿」の邪による四肢や体幹のしびれ、いたみ、冷え、運動障害、軽度の浮腫によく使用されます。独活には「風湿」を除いて止痛の効果があり、「血管拡張、消炎、鎮静、浮腫の軽減作用」が認められています。
シシウドの花
独活はセリ科のシシウドの根と根茎を乾燥したもので、日本産はウコギ科のウドが使用されることが多く、ウドの名称は、茎が成長すると中空になるので宇登呂(うどろ)と呼ばれ、それからウドとなったとする説や、春先、土から芽が持ち上がるように出てくることを「生土」と表わしたものとする説等もあります。
独活
小島 暁 (養命酒中央研究所・副所長)
かつては老中医について勉強したのに、今は・・・です。