
高価なコスメを使っても、つらいダイエットに励んでもなかなか効果が出ない…。
その問題、実は「胃腸」の働きが原因かもしれません。
胃腸の不調は、見た目の不調につながることも!?才色兼備で知られる美人女医の石原新菜先生が「胃腸美人」になれる方法をレッスンします。
いしはら・にいな
イシハラクリニック副院長。日本内科学会会員。日本東洋医学会会員。
漢方医学、自然療法、食事療法により、種々の病気の治療にあたる。クリニックでの診療の傍ら、テレビ出演、執筆活動、講演なども行う。『オトナ女子の不調がみるみる改善する本』(徳間書店)ほか著書多数。
胃腸は、食べたものを消化・吸収し、不要なものを排泄する働きを担っています。しかし、胃腸はストレスや加齢の影響を受けやすく、それが原因で、胃腸の働きが悪くなったり、腸内環境が悪化したりすることも。
胃腸の働きが鈍ると、栄養分を取り入れにくくなり、全身にさまざまな影響が出てきます。
また、東洋医学では、五臓の中でもとくに胃腸は、老化に深く関係するとされ、
胃腸の不調をそのままにしておくと、老化が加速すると考えられています。

肌や髪をつくっているたんぱく質も、その働きをサポートするビタミン・ミネラルも、私たちはすべて食事で摂取しています。ですから、胃腸が活発に働いていると、食べ物からこれらの栄養をしっかりと消化・吸収することができ、紫外線や乾燥に強い丈夫で美しいお肌や髪が育ちます。
胃腸には大量の血液が巡っているため、胃腸が活発に動くことで全身の血流がよくなります。血流がいいと代謝も高まって脂肪が効率よく燃焼されるので、食べても太りにくい体質になります。さらに、腸内環境が良好だと善玉菌が増えてお通もスムーズに!ポッコリお腹にもサヨナラできます。
東洋医学では、生命エネルギーである「気」は、主に胃腸でつくられると考えます。胃腸が健康な人ほど元気がみなぎってパワフルなのは、「気」が充実しているから。「気」が充実していると、疲れにくく、やる気や集中力もアップします。胃腸美人は、精神的にも前向きでステキな女性の象徴ともいえるのです。
朝日を浴びて
1日をスタート
起きたらすぐにカーテンを開けて、「まぶしい!」と感じるくらい日光をきちんと浴びましょう。朝日を浴びると、夜になって眠りに導くメラトニンが自然に分泌されるので、睡眠で胃腸をしっかり休ませることができます。
「プチ断食」で
胃腸をリセット
毎食、消化・吸収のためにフル稼働する胃腸は、大きな負担を抱えがち。 そこでおすすめなのが、朝だけ食事を飲み物のみに置き換える「プチ断食」。 消化・吸収をいったんストップし胃腸の働きをリセットすることで、 蓄積した胃腸の疲れを回復できます。
息は「吸う」より
「吐く」を意識
胃腸の働きは自律神経によってコントロールされています。そして、その自律神経は呼吸によってコントロールすることができます。 息を吸うのは交感神経、吐くのは副交感神経の働きなので、息をゆっくり吐くことにより、交感神経優位になりがちな自律神経のバランスが整い、 胃腸の働きをよくすることができます。
食前には薬酒を
薬酒は、胃腸の働きを高めると共に、食欲増進やリラックス効果もあります。 食前に薬酒を飲むことで、いつもの食事を美味しく、 リラックスした気持ちで楽しめます。
薬酒とは、生薬をお酒に浸け、薬効成分を抽出したもの。 また薬酒は、胃腸の働きを高めると共に、リラックス効果もあるのでストレスで胃腸の働きが低下している人には特におすすめ。 食事をリラックスしてとるために、「食前酒」として用いるとよいでしょう。 また、薬酒は続けることによって効果が現れることも明らかになっています。
試験方法について
●被験者:異常はないが病歴及び心理テストで心身症と認められる100例(男性46例、女性54例) ●服用方法:薬用酒を1日3回毎食前に20mL、8週間服用 ●調査方法:全身性愁訴、消化系愁訴、神経・運動器系愁訴及び循環器系愁訴の21項目の自覚症状を調査。症状の強さについて、服用による改善の度合いを「著効・有効・やや有効・無効」とした。症状のチェックは調査ごとに別個の医師が効果測定を行った
基礎と臨床 Vol.13 No.6, 2080〜2088, 1979
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