セルフチェック!疲れと「証」の深い関係あなたは「実証」それとも「虚証」?

「実証(じっしょう)」、「虚証(きょしょう)」って何?

東洋医学では心身の状態を見る独自の「ものさし」があり、そのひとつが「実証、虚証」です。「証」とは体質のこと。まずは下表の当てはまる方をチェックしてみましょう。多くついた方が今のあなたの体質。ほぼ同数ならその間の「中間証」です。

たとえば体力がなくて疲れやすいのは虚証の人、体力があって疲れにくいのは実証の人といったような傾向があります。ただし、実証の人も働き過ぎなどで、疲れやすい状況に陥っている場合もあります。

実証・虚証チェックシート

多く当てはまる方が、今のあなたの体質です。
  実証 虚証
体格 筋肉質、固太り やせ型、水太り
栄養状態 良好、皮下脂肪が厚い 不良、皮下脂肪が薄い
顔色 よい 悪い
皮膚 つやと張りがある 乾いてたるんでいる
筋肉 弾力がある 弾力がない
活動性 積極的、疲れにくい 消極的、疲れやすい
大きい、力強い か弱い、弱々しい
寝汗 かかない よくかく
食事 食べるのが早く、量が多い 食べるのが遅く、量が少ない
胃腸機能 丈夫 弱い
過食 平気 すぐ満腹になる
冷飲食 平気 胃腸の調子を崩しやすい
食後の眠気 ない ある
便通 太くて硬い 軟便から下痢傾向、うさぎの糞様
便秘時の反応 不快 平気

最近、疲れやすいのは「証」の変化が原因!?

前述のように、疲れやすい人は実証よりも虚証の人に多いのですが、「証」は年齢によっても変化します。個人差はあるものの、20代をピークに体力が低下していきます。歳を重ねると自然に弱い方に傾き、実証から虚証へと向かうので、それに応じた生活を心がけることが大切です。運動や食事は体に負担がかからないよう適度に量とメニューを調節し、バランスをとりましょう。

若い女性20代→年配の女性50代年を重ねると実証から虚証に向かう。

生薬の力で“疲れにくい体”に体質改善

それでも疲れが残るという人は、生薬を用いてみるのもひとつの方法です。生薬は動植物などの自然の素材から作られる物で、組み合わせにより、幅広い症状や体質に対応できます。

たとえば、疲れやすい人は胃の弱いことが多いのですが、胃の調子がよくなると、栄養分を吸収できるようになり、疲れにくい体になっていきます。じっくり時間をかけて自然治癒力を高め、体の機能を改善していくのが生薬のメリットです。また、胃腸などの内臓の機能が改善されれば、肌の状態もよくなります。生薬配合の胃腸薬や便秘薬を服用しているうちに、肌荒れも治ったという人もいます。

コラム

薬酒で楽しくセルフメディケーション

近年、自分の健康は自分で守るセルフメディケーションが注目されています。その一助となる「薬酒」は、通常長い期間にわたり服用するので、楽しく続けられる物を選びましょう。「薬酒」なら、生薬そのものの体への効き目に加え、快い飲用感を得られ、心にもよい刺激になります。