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  • 【2006年9月号】やろうと思わなければ、横に寝た箸(はし)を竪(たて)にする事も出来ん。

やろうと思わなければ、
横に寝た箸(はし)を
竪(たて)にする事も出来ん。

夏目 漱石 1867年~1916年

明治の文豪は「リハビリ」として書き始めた

激動の時代の中にありながら、飄々とした着眼点で物事を捉え続けた小説家、夏目漱石。もともとの職業は教師で、東京高等師範学校、松山中学、熊本五高と渡り歩き、その後イギリスに留学。帰国後は東京帝国大学などで教鞭をとります。その頃、神経衰弱の漱石にとって一番の薬は、自由気ままに小説を書くことでした。いわば「リハビリ」に近い感覚でしたが、処女作の『吾輩は猫である』は予想に反して好評。そして次に、どこにも属さない破天荒な教師が、学校の中でネチネチと生きる教頭らをギャフンといわせる痛快な物語『坊っちゃん』を書き上げました。

大いに「欲張って」生きてみよう

小説を書き始めた頃の漱石といえば、今後「小説家一本」でいくか、教師と二足のワラジを履くか、悩んでいた時分。最終的にすべての教職を辞して朝日新聞に入社。小説担当社員として職業作家の道へ進みました。その第一弾となった作品『虞美人草』の中に、今回の名言は書かれています。物語の登場人物に言わせたセリフではありますが、自らにハッパをかける言葉でもあったのでしょう。やろうと決心することこそが、すべてのはじまりです。生きていると、決心だけで行動が伴わないことも多々ありますが、「あれもやりたい」「これもやりたい」が元気の源であることは確かです。大いに欲張って、何かにトライする心を常に持ち続けたいものですね。