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  • 【2005年12月号】疲れちょると思案がどうしても滅入る。よう寝足ると猛然と自信がわく。

疲れちょると思案が
どうしても滅入る。
よう寝足ると
猛然と自信がわく。

坂本 龍馬 1835年~1867年

幕末の世を闊歩した「日本初の日本人」

幕末。まだ「日本」よりも「藩」という概念で皆が動いていた時代に、「フリー(自由)」と「デモクラシー(民主主義)」の世に変えようと奔走する一人の日本人がいました。それが土佐の浪士、坂本龍馬です。武士の身分差別が激しい土佐にあって、龍馬は下級武士。しかも脱藩者である彼が、犬猿の仲であった薩摩と長州の同盟を結ばせ、土佐藩をも動かして大政奉還を実現させるに至りました。300年も続いた徳川幕府を倒すには、誰しも「武力」が必要だと感じていたのに対し、龍馬は「無血」で事を成そうと東奔西走。明治という時代を見ずに、同じく土佐の中岡慎太郎とともに凶刃に倒れたことが惜しまれます。

プラス思考を支えたのは「寝つきの良さ」だった!?

今回の名言は、司馬遼太郎の著書『竜馬がゆく』に収められています。ちなみに「眠れぬときは、頭をからっぽにして足の裏で呼吸をするんじゃ。すると眠れる」と、おりょう(後の龍馬の妻)に語る場面もあります。数々の本やテレビ番組、映画などの題材になってきた龍馬ですから、時には作家が創作したエピソードもあることでしょう。なにせ忙しく日本中を駆け回っていたため、充分な睡眠が取れていたかどうかは疑問ですが、異様に寝つきが良かったともいわれています。滅入ろうと思えばいくらでも滅入ることができる時代。そのなかで「必ず倒幕は実現する!」と信じ、ことあるごとに「ホラ吹き」よばわりされるほど物事をプラスに考えていた龍馬です。その強烈な自信は、要所要所での「快眠」が支えていたのかもしれませんね。