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  • 【2005年2月号】人はだれでも、想像できることなら、どんなことでもできる。

人はだれでも、想像できることなら、
どんなことでもできる。

ヘンリー・フォード 1863年~1947年

自動車王ヘンリー、産業革命を起こす

昨年で創立100周年を迎えたフォード。立ち上げたのは、貧しい農家に生まれたヘンリー・フォードです。幼少の頃、辛くて厳しい農作業の手伝いを経験したヘンリーは、いつしか「多くの人に移動手段を提供したい。しかも、ふつうの人がふつうに買えるような値段で」と思うようになりました。16歳の時から機械工場の行員として働き、その後、エジソン電灯会社へと移籍。ここでガソリン自動車の製造を研究し、1893年には最初のガソリンエンジンの運転に成功しました。1903年、「フォード・モーターカンパニー」を設立。その6年後、自動車史を語る上で欠かすことのできないクルマ、T型フォードが完成。世界初の大衆車として爆発的な人気を得ました。自動車史だけでなく、部品の標準化、流れ作業のシステム、8時間労働制や最低賃金制など、フォードの功績は産業史の中でも光り輝いています。

自動車王ヘンリー、自ら走る

フォード社には今でも「ノー・バウンダリーズ」という社訓があります。直訳すると「境界のない」という意。自らイメージして、今までの常識を破り新境地を開け、という訓示です。これを最初に実行したのはヘンリー自身。研究開発もしかり。そして生涯ただ一度、レースにドライバーとして参加したときもしかり、です。じつは一度、ヘンリーは自動車会社経営に失敗しています。性能が良くても知名度が低くて売れない・・・そんな状況を打破するため、経営失敗後にレース参加を決意しました。しかし、他の車は50馬力以上がほとんど。優勝候補の車は70馬力。対するヘンリーの車は26馬力。誰一人、彼の勝利を予想していませんでしたが、ゴール直前に煙を上げる大型車を尻目に一着でゴールイン!「馬力」というこれまでの信仰は破れ、走行性能や耐久性が脚光を浴び、ヘンリーは再び会社を興して成功を収めたのです。想像できることを次々と実践していったヘンリー・フォード。その心意気にあやかりたいものです。