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頭の雑学

「どこまでが頭で、どこまでが顔?」「日本人に絶壁頭が多いワケとは?」「ジダンもビックリ?!ウサギさんも頭突きの名手だった!」‐‐今月は頭にまつわる雑学をお届け!

どこまでが頭で、どこまでが顔?

どこまでが頭で、どこまでが顔

通常、私たちは首から上を頭といいますが、頭には顔も付いています。では、おでこは頭と顔のどちらでしょう?解剖学的には、両耳の穴から眉毛、鼻の付け根を結ぶ線の上が頭、下が顔に分けられているので、おでこは頭の一部ということになります。

これが動物となると、どこに頭があるかさえ判別できない生きものが多々います。例えばミミズは目鼻がない「顔なし」なので、パッと見はどっちが頭かわかりません。よく見ると、細長い体に「環帯(かんたい)」というマフラーを巻いたような箇所があります。そこから先端までが頭で、中には腸や生殖器がみっちり詰まっています。

意外と間違いやすいのが、イカの頭です。三角形のヒラヒラしたところが頭と思い込んでいる人が多いかもしれませんが、実は三角形はヒレで、頭は足の付け根にあります。ついでにイカの足を下足(ゲソ)といいますが、正しくは腕(触手・触腕)です。

タコの場合は、まさに丸い部分が頭ですが、スーパーや鮮魚店で通常売られているのはタコの足で、尾かしら付きのタコはまず見られません。ただ、北海道ではタコの頭は「ぼっち」の名で親しまれており、刺身や燻製にして愛食されています。タコもイカも食卓にはスライスして出すことが多いけれど、尾かしら付き魚の場合は、頭を左向きにするのが正しい盛りつけ方法なので、お間違えなく。

日本人に絶壁頭が多いワケとは?

絶壁頭

人の顔がそれぞれ違うように、頭の形もまた異なります。形質人類学的な観点では、現代の日本人や東アジアの人の多くは、正面から見た頭の横幅より、頭の奥行のほうが短い「短頭(絶壁頭)」です。逆に欧米の白人やアフリカ系の黒人の多くは、顔の横幅より、頭の奥行きが長い「長頭」です。つまり、日本人のほうがいわゆる絶壁頭が多いということになります。

同じ日本でも地域によって差があります。近畿から瀬戸内は短頭が多く、東北から日本海側、北九州は長頭が多い傾向があるといわれています。

頭の形は異なっても、頭蓋骨の構造は人類皆同じです。ただ、生まれたばかりの赤ちゃんの時は、頭蓋骨のパーツが45個もありますが、成長していく過程で骨が徐々に融合し、大人になるとパーツは28個になります。そのワケは、新生児は誕生時に母親の細い産道を通過するためです。また、どんどん成長していく過程で、頭蓋骨にも可動性が必要なのです。

「赤ちゃんの頭は柔らかいから気を付けて!」とよくいわれますが、これは新生児の前頭部には、頭蓋骨が完全に閉じていない泉門と呼ばれるへこみが残っているからです。

頭蓋骨のことは、「髑髏(どくろ、しゃれこうべ)」ともいいます。これは風にさらされて白骨化した頭、すなわち「曝れ頭/晒され頭(されこうべ)」が語源といわれています。

ハロウィンではスカル(英語で骸骨)の仮装をする人が多くいますが、これは死の象徴である骸骨の格好をすることで、悪魔から身を守るためだそうです。

ジダンもビックリ?!ウサギさんも頭突きの名手だった!

頭突き

動物にとって、頭は武器にもなります。牛やサイ、ヤギなど角を持った動物はオス同士で闘う際に、角を相手に向けてガチッと激しい頭突きをしあいます。温厚に見えるキリンも、怒ると長い首を勢いよくブルンブルン振って頭をぶつけあう「ネッキング」と呼ばれる攻撃を繰り返します。最強なのはシャチです。自分の何倍も大きなクジラに対して、これでもかと執拗に頭突きを食らわせ、最終的には頭突きでクジラを殺して食べてしまいます。

意外ですが、癒し系のウサギも自分より大きなヤギや牛に対して、ぴょんぴょん跳ねながら頭突きをします。はた目にはフワフワとじゃれているようにしか見えないかもしれませんが…。ちなみに、ウサギは鳥のように「1羽2羽」と数えられますが、牛などの大型動物は「1頭2頭」で数えられます。これは英語で家畜を「head」で数えることから、「頭」が一般化したといわれています。

人間も「頭数(あたまかず)10人」などといますが、人間も動物のように頭を武器にすることがあります。プロレスでは、頭突き技の「ヘッドバット」がルールで認められています。力道山のライバルだったボボ・ブラジルの有名な必殺技「ココバット」は、ココナッツのように硬いヘッドバットとして恐れられていました。

しかし、よくも悪くも最強の頭突き名手といえば、ジダンでしょう。2006年サッカーワールドカップ決勝の舞台で、フランス代表のジダンがイタリア代表のマテラッツィに「ゴツン」と浴びせた頭突き一発退場事件は、世界中のサッカーファンをどよめかせました。頭突きはサッカーのみならず危険なので、よい子は絶対にマネしないでくださいね!