養命酒ライフスタイルマガジン

健康の雑学

元気と痩身をつかさどる「筋肉」のはなし

冬はついつい自宅にこもりがち。よって運動不足になりがちな季節です。皆さんはカラダ、動かしてますか?今回は、皆さんの健康にとって欠かせない「筋肉」についての健康雑学をお送りしましょう。

カラダにも「レジスタンス」が必要!?

人の体には、600以上の筋肉があり、大きく3つに分けることができます。ひとつめは「骨格筋」。これは歩く、手を動かす、顔の表情を作る、話す、息をするなど、あらゆる動作の源となる筋肉で、自らの意思で動かせることから「随意筋」とも呼ばれています。ふたつめは「心筋」。心臓の筋肉のことで、これは自らの意思で動かせませんから「不随意筋」といいます。みっつめも不随意筋の「内臓筋」です。文字通り内臓や血管の壁を形成しています。


ご存知のとおり、筋肉は使わないと萎縮します。足や手を骨折し、ギブスをはめたことのある方ならおわかりだと思いますが、ギブスが取れたときに足や手が明らかに細くなっていることがあります。「ああ、筋肉が落ちたな」と感じるでしょうが、その際、見えない内部にも変化が起こっています。筋肉は骨と骨を連動させているため、関節を痛めやすくなることがまずひとつ。さらに骨そのものにも変化があります。筋肉を動かすと、連動して骨は密度を増して丈夫になりますが、筋肉を動かさないでいると骨の主成分であるカルシウムが溶け、脆くなってしまうのです。


その他、筋肉はさまざまな役割を担っています。たとえば寒いときの身震い、これも筋肉を振動させることによって体温を上げているのです。また、体を動かさないと心臓も弱くなります。収縮力が低下するので必然的に心拍数が増え、たとえばちょっとした階段の上り下りでも息切れしてしまうことになります。


そして、昨今注目を集めているのが、筋肉に脂肪燃焼効果がある点です。脂肪は筋肉で効率よく燃焼されますが、以前トレーニングジムのスタッフが「ダイエット目的で訪れる女性は、“足や腕が太くなるから”といって筋力トレーニングをしない」と嘆いていました。その代わり、エアロビなどの有酸素運動は熱心に行っている。有酸素運動でも筋肉は作られますが、それでも筋肉を作るためのウエイトトレーニング、つまり「無酸素運動」を適度に並行して行うことがもっともダイエット効果がある、というわけです。有酸素運動時に消費されるエネルギーは、筋肉の量に比例します。つまり同じ距離、同じ時間をウォーキングした場合でも、筋肉が多い人ほど脂肪が燃えている、ということになります。運動せずにじっとしているときであっても、筋肉の多い人のほうが基礎代謝量が高いため、太りにくいわけです。


では、筋肉を蓄えるにはどうすればよいか。体力に余裕のある方はダンベルや腹筋など、回数やペースを決めて行ってもよいでしょう。また、日々の暮らしの中でも億劫にならずに、モノを持つ、歩くといった運動を心がけることも大切です。食事はタンパク質を多く摂ること。そのタンパク質が骨や筋肉を形成しやすいのは睡眠時ですので、しっかりと寝ることも大切です。


筋肉を作るウエイトトレーニングは、俗に「レジスタンス・トレーニング」とも呼ばれています。「レジスタンス」とはフランス語で「抵抗」のこと。休みたい、止まりたい、動きたくないという意思に抵抗して筋肉を作り上げる、といった主旨ですが、くれぐれも無理は禁物ですよ。自らのペースでゆっくり、じっくりと筋肉を作りあげた上で、ウォーキングなどの有酸素運動の効果をアップさせることを目指しましょう。筋肉は、元気の源です!