養命酒ライフスタイルマガジン

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脱・乾燥!~冬の潤い肌~

今月のテーマは「脱・乾燥」。冬の乾燥がもたらす風邪やお肌、目のトラブル対策についてご紹介します!

冬の乾燥した部屋は、ウィルスにとって“快適な環境”

冬は大気が乾燥する季節。日本の夏の平均湿度は、おおよそ70~80%ほどですが、冬は50%に満たない日が多くあります。「ジメジメした季節よりもカラリとしている冬が好き」という方もいらっしゃるかもしれませんが、乾燥しすぎた状態は人間の健康にとって、あまり良いものではありません。そもそも、人間の身体の大半は、水分で構成されています。その水分が、乾いた空気によって失われることで、さまざまな弊害が出てくるのです。

特に、冬の室内は乾燥しがちになります。外は湿度50%だったとしても、お部屋は30%を切っているといったケースもよくあること。暖房によって、さらに空気が乾燥してしまっているというわけです。

お部屋の乾燥がもたらす弊害のうち、注意したい点が2つあります。まずは「のど」が乾燥してしまうこと。のどの粘膜は浄化作用を担っているため、ここに潤いがなくなると粘膜の働きが鈍くなり、免疫力が落ちてしまいます。年末年始を多忙に過ごすことで疲れたり、冷えの症状などでも免疫力が低下するため、「乾燥」「疲れ」「冷え」のトリプルパンチに見舞われている人は、特に注意が必要です。

もうひとつは、ウィルスにとって“快適な環境”になってしまうこと。一般的にウィルスは、乾燥した環境を好み、多湿を嫌います。たとえば、インフルエンザウィルスも、湿度が50%を超えると生存率が格段に下がるというデータもあります。ウィルスもまた、人間と同じように水分を含んでいますが、乾燥した状況下だとこれらが蒸発します。するとどうなるか?質量が軽くなるため、ウィルスがお部屋の中で浮遊する状態になるのです。当然、人間の口内からも入りやすくなります。

そのため、お部屋の湿度をアップさせる対策が必要になってきます。もっとも一般的なのが、加湿器の利用です。また、マスクは外出する際に着けるものと思っている方もいらっしゃると思いますが、お部屋の中でも効果があります。マスクをしていると、口の部分が蒸れた経験、誰しもあると思いますが、これが先に挙げた「のどの乾燥」を防ぐことにつながります。もちろん、風邪などの顕著な症状が出ていなくても効果的です。

また、花瓶などをお部屋に置いておくと、絶大な効果とはいえませんが、水の蒸発によって空気が潤います。空気に接している面積が大きいほうがより蒸発しやすいため、口の小さい花瓶よりも「水盆」のような花器がおすすめです。

そして意外な“人体加湿器”といえるのが、鼻です。口で空気を吸うよりも、鼻で空気を吸ったほうが鼻腔内でより加湿されるため、のどへの負担が軽くなるのです。些細な点ではありますが、鼻で空気を吸うことを意識してみてはいかがでしょう。

お部屋の乾燥対策!

「冷え」と「乾燥」がお肌のトラブルに拍車をかける

乾燥によるお肌のトラブルも、冬の悩みのひとつですよね。女性だけでなく、男性も唇が荒れたりと、なにかと気を遣わざるをえない季節のようです。

通常、人間の肌は外からのさまざまな刺激から身体を守る、文字通り「ボディーガード」のようなものです。さらに、その肌を守っているのが「水分」と「脂(皮脂)」。皮脂というと、毛穴につまってニキビの原因になったりと、とかく悪者にみなされがちですが、コーティング作用をもたらして角質層の水分が蒸発するのを防ぎ、お肌に潤いを与える大切な役割を担っています。いわゆる「乾燥肌」の人は、皮脂が少ないためにきっちりコーティングされず、水分が蒸発していってしまうのです。

また、冬の寒さによって汗もかきづらいため、余計に水分が肌から失われていくことになります。同時に問題なのが「冷え」。冷えの影響で栄養を身体のすみずみに供給している血の巡りが悪くなると、肌の代謝機能も低下して、傷が治りにくくなってしまうのです。特に、肌が傷つき、かゆみや痛みなどを伴う「ひび」や「あかぎれ」は、かかとにできたりすることもよくありますよね。かかとは角質層が分厚いので、それだけ傷を修復する再生にエネルギーが必要となり、治りにくいといえます。また、加齢によって、体重を支える足の裏の弾力性がだんだんと失われていくため、衝撃の積み重ねによってあかぎれができてしまうこともあります。

また、唇の荒れも同じ原因です。唇は他の皮膚に比べて「汗をかかない」「見た目に反して肌が薄い」といった特徴があるため、いっそう保水力が低いといえます。そのため、油膜を含んだリップクリームで人工的にコーティングして、潤いを保つというわけです。

実際、潤いを保つためにはどうすればよいか?先に挙げた「暖房の稼働する部屋には、加湿器を」などのポイントを踏まえることがまず先決。そのうえで、肌の代謝を妨げないようなバランスのとれた食生活を送り、睡眠をしっかりと取って、傷んだ肌が元気に再生できる下地を作りましょう。

また、肌のトラブルの原因のひとつに「洗いすぎ」があります。外出して帰宅したとき、ウィルスを取り除くために手を洗うことは重要ですが、ごしごし洗いすぎてしまうと水分をしっかりとつかんでいる皮脂が失われてしまい、結果的に水分までも失ってしまうことになるからです。これは洗顔でも同じことがいえます。手を洗ったり顔を洗ったあとは、なるべく早くタオルで水気を切ること。手の表面に残った水分だけでなく、もともと皮膚が含んでいた水分が蒸発してしまう原因になります。

また、肌のためにやりたくないけれど、やらざるを得ない水仕事。その前後には、保湿クリームやワセリンなどをこまめに塗りましょう。ただ、頻繁に塗りすぎるのは注意が必要。水分が失われた状態でコーティングするため、外部から水分が逆に入ってきづらい状況が生まれがちになります。

冬なので、熱いお風呂に長時間入りたい気持ちもありますが、これも控えたほうがベターです。熱い湯によって皮脂が過剰に溶け出してしまうのを防ぐためです。身体を洗う際、肌をこすりすぎることも避けましょう。

唇が乾燥する方は、リップクリームの利用と、あまり唇を舐めすぎないことをおすすめします。皮脂などの保湿を促す成分を、唾液が除去してしまう可能性があるためです。

お肌の乾燥対策!

乾燥からくる「ドライアイ」にも要注意!!

空気が乾燥すると、のどや肌だけでなく“目”の水分も失われてしまいます。ひいてはそれが「ドライアイ(角膜乾燥症)」と呼ばれる症状につながってしまうこともあること、ご存じですか?

通常、眼球の表面にある角膜などの粘膜は、涙によってコーティングされています。保湿を促し、ごみや細菌が入りにくくなる役目を担っているのですが、暖房などによる乾燥によって蒸発して涙液が不足してくると、そのコーティング作用が失われ、目が傷つきやすくなってしまうのです。皮膚と同じく、傷口には細菌が入りやすくなり、感染症や視力の低下を招くこともあります。

ただ、「最近なんだか目が疲れる気がするなぁ」と思うことはあっても、「最近、目が乾いているなぁ」と思うことは少ないですよね。そのため、目が疲れたり、目がゴロゴロするような違和感を感じたために眼科に行ってみたら、実はドライアイだったというケースが多くあるのです。

ドライアイを予防するためにも、お部屋の湿度を保つことは重要です。また、乾燥以外の要因で涙の量が減ったり、涙の成分そのものが変化してドライアイになることもあります。たとえば、パソコンを長時間眺めたり、運転の仕事をしている方。あまり意識はしていないと思いますが、瞬きの回数が減りがちになります。しっかり休息して目の疲れを取るとともに、照明が画面に反射して眩しいような状況も避けるようにしましょう。

また、人間は下を見るときよりも上を見るときのほうがまぶたが開きます。その分、眼球の露出部分が大きくなり、涙液が蒸発しやすくなります。パソコンの画面やテレビなどを目線より上に設置せず、下に置くことがおすすめです。ちなみに、眼球の露出部分の多い「目がパッチリと大きい人」もドライアイになる可能性が高いといえますので、注意してください。

身体の大半は「水」でできているからこそ、乾燥している環境は健康を損ないがちになります。この冬はぜひとも意識して、しっとりと潤いのある暮らしを心がけましょう。

目の乾燥対策!