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スイーツは太る?太らない?

今月のテーマは「スイーツ」。甘いモノは大好きだけど太るのはイヤ!という方に、スイーツ選びから普段の食生活とのバランスまで、“食べるコツ”をご紹介します!

スイーツ好きなら覚えておきたい「8つの心得」

ケーキにチョコレートに和スイーツ・・・甘いモノを食べているときが一番幸せを感じる、という人もいらっしゃるのではないでしょうか。その一方で、「甘いモノは太る」という認識もどこかにあり、食べたいけれど我慢しないと・・・と考える方も多いことでしょう。

今回みなさんにお伝えしたいのは、甘味すなわち糖分も、元気な暮らしを送るうえで決して欠かせないものであること。糖質、すなわち血中のブドウ糖は、脳にとっても重要なエネルギー源ですし、子どもの頃の楽しみである「おやつ」も、消化機能が未成熟な子どもにとっては貴重な栄養源であり、成長にかかせないものです。

ただし、近年は三度の食事が高脂肪、高炭水化物になる傾向が強まっています。そのためスイーツを食べると摂取オーバーになってしまうことから、「スイーツ=太る」といった公式が生まれたのでしょう。

そこで今回は、食生活のバランスを考えながら、上手にスイーツを取り入れていくコツをご紹介したいと思います。

満足感を得るための「食後のスイーツ」

甘いものを食事の締めとして食べることは世界共通の習慣です。そもそも「デザート」という言葉自体、「食事を片付ける」といった意味合いのフランス語「dessert」からきています。食後に甘いモノを食べる際、ポイントとなるのは「満足度」。腹八分目であっても、スイーツを食べることで心が満たされる、というわけです。なので、「お腹いっぱい食べた後のスイーツ」は、オススメできません。

それともうひとつ、和食を食べた後にスイーツを食べるって、あんまり聞かないですよね。それは和食がお米などの炭水化物、すなわち糖質が欧米の食事に比べて多いためです。糖質は他のエネルギー源に比べて消化吸収が早いため、血糖値がすぐに上がって満腹感を早く得ることができるから。欧米の食事は糖質よりもお肉などのタンパク質や脂肪がメインですので、最後にスイーツを食べて糖質を補給して満足感を得る、という理屈です。

ただ、糖分主体の和食ですと消化吸収の早さから、洋食に比べてお腹がまた空きやすいということもあります。急に上昇した血糖値は、急に下落しやすく、結果として「だるさ」を覚えてしまうというわけです。それを補っていたのが、いわゆる「3時のおやつ」の習慣です。食後のスイーツを習慣とする欧米には、ティータイムに簡単なスコーンを添えるくらいはありますが、日本ほど「3時のおやつ」の概念がないといえます。

おやつを食べる「3時」は意外と適切

おやつを食べる午後3時という時間帯、ちょうどお昼と夕食の間でお腹が空きますよね。それに加えて、人間の体温が最も高くなるのは午後3時から6時くらいまでの間。高体温はエネルギー代謝を助けることにつながりますから、この時間にカロリーを摂取したとしても、他の時間帯よりは代謝が滞って肥満につながりにくい、という利点があります。

今日は甘いモノ食べてないからスイーツ食べてOK、とは一概に言えない

先にも少し触れましたが、白米などの炭水化物は体内で吸収されてブドウ糖になります。つまり、一切甘いモノを食べていないとしても、ご飯やパン、豆類などを十二分に摂取していたとしたら、一日の適切な摂取量を満たしています。甘いモノを食べてないからといって、むやみに「スイーツ解禁」ではありませんのでご注意を!

今日スイーツたくさん食べちゃったから明日運動すればOK!とも一概に言えない

もちろん運動は、体にとっても肥満防止にとっても良いことです。ではなぜ「一概に言えない」のか?たとえば、大さじ一杯くらいのハチミツをペロッとなめたとします。そのハチミツ一杯で摂取したカロリーを、歩くことで消費しようとすると、およそ40分歩かなければなりません。ケーキを3つも4つも食べたとしたら、それこそ2時間くらい体を動かし続けないとカロリーを消費できないのです。忙しい日常の中で、1日に2、3時間も運動することは現実的に難しいため、安易に「明日運動すればOK」と考えないほうがよいでしょう。運動は長期的な視野で、筋肉をつけて代謝効率をアップさせる意味合いで行ったほうが得策です。

スイーツをたくさん食べたいからご飯は減らす、はNG

バランスを取るために毎日のご飯を減らせばいいんでしょ?と理屈で考えがちですが、これもあまり感心できません。日々食べる3度の食事には、3大栄養素だけでなく、ビタミンやミネラルなどもバランスよく含まれています。ご飯を減らしてスイーツに偏った食生活は、栄養のバランスを崩してしまいがちです。また、普段の食事よりもスイーツのほうが満腹感を得にくいことも多々あるため、ご飯を減らしたとしてもついつい食べ過ぎてしまい、結果的にカロリーオーバーに陥ってしまうこともあります。

「今日」「明日」くらいでバランスをとるならOK

「スイーツをたくさん食べたいからご飯は減らす、はNG」といいましたが、厳密には「習慣化してしまうことはNG」ということ。毎日「ご飯少なめ、スイーツ多め」の食生活はNGですが、たまにスイーツを食べ、今日明日の食事でバランスを取るという考え方はOKです。具体的には「明日、友人と一緒にケーキバイキングに行く!だから今日は低脂肪、低カロリーの食事にする」ということですね。これはお酒の席で食べ過ぎ、飲みすぎてしまったときなども同様です。

意識すべきは「脂質」が多いか少ないか

これはこの後も触れますが、スイーツのカロリー表記だけでなく、スイーツに含まれる「脂質」にも注目すべき。食後、すみやかに消化・吸収されるはずの糖分が、脂質があることによってスムーズに代謝が行われなくなり、結果的に皮下脂肪になってしまいます。

糖分をすみやかに代謝へ導く「ビタミンB2」を

糖分を代謝しきれないことが肥満につながりますので、代謝をサポートしてくれる栄養素を摂取することが大切。スイーツ好きな方の強い味方となる栄養素は、ビタミンB2です。糖分だけでなく、脂質やタンパク質の消化・吸収をサポートしてくれます。洋食や洋菓子が好きな方は積極的に摂るようにしましょう。ビタミンB2が多く含まれているのは、レバー、卵、大豆、うなぎなど。ビタミンB2が不足すると肌荒れにもつながるため、スキンケアにとっても欠かせない栄養素といえます。

カロリーが高いのはどっち?

使用する材料によってカロリーが変化することをお含みおきください。

ロールケーキとアップルパイ

アップルパイの方が高い

ロールケーキは5センチ程度の厚みなら200kcal前後に収まりますが、アップルパイは大きなサイズだと400kcal近くになることも。バターも多用するため脂質も多くなりがちです。

大福と水ようかん

大福の方が高い

あくまでも「水ようかん」の場合。水分量が少ない「練りようかん」であれば、大福よりもカロリーは高くなります。ちなみに「練りようかん」も「水ようかん」も脂質はほとんど含まれていません。

メープルシロップと黒砂糖

黒砂糖の方が高い

メープルシロップのほうが低カロリー。ただし両者とも、上白糖よりもミネラル成分が豊富に含まれており、健康効果が期待できます。

和菓子のススメと、「それでも洋菓子が食べたい」方へ

和菓子はヘルシースイーツ界のエリート

和菓子と洋菓子、食べても太りにくいのはどちらかといえば、やはり和菓子に軍配が上がります。

その最たる理由は、和菓子は油脂を使わないスイーツだから。和菓子は主に糖分と炭水化物で構成されています。一方、洋菓子には糖分はもちろん、バターや生クリームなどの油脂を使っていることが多くあります。脂肪は、糖分がすみやかに代謝されるのを妨げてしまう作用があるため、糖分と油脂がタッグを組んでいる洋菓子のほうが太りやすいというわけです。実際、洋菓子のほうが和菓子よりも砂糖の使用量が少ないというケースは多々ありますが、成分表記などでしっかり脂肪分もチェックすることが大切です。

また、和菓子の主役ともいえる「あんこ」は優れた栄養食品です。ミネラル、食物繊維、ポリフェノールが多く含まれています。前述したように、糖の代謝を助けるビタミンB2も豊富です。

ただし、和菓子だからといっていくらでも食べてよいわけではありません。最近では洋風にアレンジされた、生クリームたっぷりの和スイーツもあります。また、どら焼きなどは砂糖の使用量も多くなりがちで、大きなサイズのものもよく見かけます。食べ過ぎにはくれぐれもご注意ください。

「でもやっぱり洋菓子が食べたい!」人へのオススメスイーツ

いくら和菓子のほうが太りにくいといったって、ケーキなどの洋菓子が好き!という方もいらっしゃることでしょう。

先にも述べましたが、スイーツを食べることの大きな要素は「満足度」。和菓子があまり好きでない方にとっては、たとえ和菓子を食べたとしても脳が納得しておらず、ついつい量を食べてしまうといったこともよくあります。確かに洋菓子は高カロリーになりがちですが、満足度を得るために、ときおり洋菓子を「解禁」してあげることも大切。解禁しつつ、なるべくヘルシーなものを摂取するよう心がけましょう。

たとえばケーキ。生クリームたっぷりのショートケーキやチョコレートケーキ、バターをふんだんに使ったパイやタルトなどはやっぱりどうしてもカロリーが高くなります。ケーキでいえば、オススメはシフォンケーキや軽めのチーズケーキです。また、シュークリームも意外と低カロリーに収まっていることが多くあります。卵や牛乳といったタンパク質と小麦粉がベースになっているのに加え、多少、大ぶりでも中に空洞部分があることが満足度につながるといえそうです。

また、たくさん食べることは決してお勧めしませんが、少量で満足度が得られるものとしてチョコレートがあります。板チョコ一枚なら500kcalくらいいってしまいますが、4、5カケなら100kcalほどに抑えることができます。

食べたい欲求を頭ごなしに押さえつけるより、バランスよく日常生活にスイーツを取り入れて、元気に日々をお過ごしください!