まだまだ収束のきざしが見えない新型コロナウイルス。
手洗いやマスクなどで感染を防ぐとともに、万一感染しても重症化に至らないようウイルスと戦う免疫力を高めておくことが重要です。
そこで、日常生活で免疫力を高める大きなポイントをテレビの健康番組などでもおなじみの川嶋 朗先生がアドバイスします。
川嶋 朗先生
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統合医療医。東京有明医療大学教授。日本で一番“冷えに悩む患者”を多く診てきた医療従事者として、冷えによる健康被害をメディアで訴えている。ベストセラー『心もからだも「冷え」が万病のもと』(集英社新書)など著書多数。
- 質のよい睡眠をとる
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睡眠中は、昼間に発生した活性酸素を除去してくれる成長ホルモンやメラトニンが分泌される大事な時間です。活性酸素はある程度の量であれば免疫細胞の活動をサポートしてくれますが、増えすぎると逆に正常な細胞を攻撃して免疫力を低下させてしまいます。メラトニンは太陽の光を浴びてから14~16時間後に分泌が始まり、午前2時から4時の間にピークに達します。そのため、なるべく早く床に就き、この時間帯にしっかり眠れるよう、体のリズムや睡眠環境を整えておきましょう。
- バランスのよい食事
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体内にあるリンパ球系の免疫細胞の約7割は、腸に集まっています。従って、多くの免疫細胞が働くためには、腸内環境をつねに良好な状態にしておかなければなりません。腸内環境をよくするには、善玉菌を増やす食物繊維や発酵食品を積極的に摂ることが大切です。また、免疫細胞はウイルスと戦うときに多くのエネルギーを必要とするので、バランスのよい食事を心がけ、栄養状態をよくしておきましょう。
- 体を温かく保つ
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体温が1℃下がると免疫力も大きく下がることがわかっています。体温が下がって血流が滞ると、免疫力を司っている白血球の動きや働きが悪くなってしまうのが原因です。さまざまな生活習慣の影響により、現代人は体温が36℃より低い「低体温」の人が少なくありません。ウイルスに負けない体づくりのために、まずは、体を温かく保つことから、はじめてみましょう。
ツボで温かく
血液の巡りをよくして体を温める基本のツボが、足にある「足三里」と「三陰交」です。お風呂上がりなどにドライヤーの温風を当て、“熱い!と感じたら離す”を5回繰り返してみてください。もちろんツボを指で押してもOKです。
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お風呂で温かく
熱いお湯に短時間入浴するのでは体の表面だけしか温まりません。38~40℃のややぬるめのお湯に10~20分は浸かりましょう。ポイントは肩までしっかり浸かること。炭酸入りの入浴剤を使用すると、さらに温熱効果が高まります。
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食で温かく
ショウガに含まれる辛味成分には、体を温めるだけでなく、血流を良くして免疫力を高める作用があります。また、茶葉を発酵させた紅茶にも体を温める作用があります。
作り方
熱い紅茶にすりおろしたショウガを適量入れ、ハチミツか黒砂糖で好みの甘さにします。ショウガはチューブ入りのショウガでもOK!
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サバなどの青魚に含まれる不飽和脂肪酸は、血液をサラサラにして血行をよくする働きがあります。豊富な鉄分で冷えを取り除く大葉と一緒に食べれば、温め効果がアップ!
作り方
温かいごはんの上に大葉と海苔をちぎって敷き、サバ缶(醤油煮)をほぐしたものを汁ごと適量乗せます。ゴマをふっても美味!
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体温が下がり、血流が滞って必要な栄養や酸素が行きわたらないと、
代謝も落ちて病気になりやすくなります。
毎日測るべきは、体重ではなく体温です。
免疫力を高めるには、①質のよい睡眠、②バランスのよい食事、③体を温かく保つ、の大きく3つがポイントとなってきます。なかでも体を温かく保つための日頃の習慣が免疫力アップに効果的です。