胃酸分泌を調整する仕組みと胃腸の役割
食べ物が体に入ると脳、胃、腸ではそれぞれどのようなことが行われるでしょうか。


小腸で食べ物を吸収しやすいよう加工・分解する。

小腸-食べ物を吸収しやすいよう加工・分解する。
大腸-小腸で栄養分を取り除いた後の残りカスで便を形成。
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連係プレーが大切
東洋医学では、胃は消化、腸は吸収と役割を分けて考えるのではなく、口から肛門までを消化器系の1つの臓器として見ています。胃酸分泌を調節する仕組みのように、脳の働きも含め、消化管全体がうまく機能することで初めて、健康な状態をつくります。
胃腸の健康は心と体の健康につながる
小腸で吸収された食べ物の栄養分は肝臓へ送られ、そこから血液に入って全身を巡り、隅々の細胞まで行きわたります。胃腸の働きが悪くなったり、腸内環境が悪化したりすると、栄養分を取り入れられないために血液の質が低下。全身に必要な栄養を巡らせることができなくなります。
全身に栄養が巡らなくなると、疲れやすい、むくみや冷え、頭痛、肩こりなどの不定愁訴を招いてしまいます。また、代謝も悪くなり、肌のトラブルや肥満にもつながります。胃腸の健康が全身の健康に影響するといわれるのは、こういった理由が関係しているのです。

胃腸が健やかに働いていると、全身に栄養が巡り健康な心身を維持できる。
腸の知られざる活躍
腸には体内の免疫細胞の60%以上が存在し、人体最大の免疫器官とされています。腸の健康を保つことは、病気や老化の予防につながります。
東洋医学の観点からも、「脾(胃腸)」は「後天の気(エネルギー)」をつくり出す場所とされています。後天の気とは、生まれ持った「先天の気」に対し、日々補充するエネルギーのこと。病気や老化の予防には、食養生などを通し、後天の気を蓄えることが必要とされています。

腸が健やかに働き、食べ物がおいしく食べられると「後天の気」が充実。元気な心身に!
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腸が「第二の脳」といわれる理由
腸には数多くの神経細胞が存在し、その働きは喜怒哀楽に深くかかわっています。 昔から、「断腸の思い」、「腸(はらわた)が煮えくりかえる」など、腸を用いた感情を表す言葉があり、「第二の脳(セカンドブレイン)」ともいわれています。