食欲がでなかったり、体がだるかったり...毎日暑い日が続き、夏バテの症状がでていませんか?
梅干しやらっきょうの甘酢漬けなど、「酸味」の食材に含まれるクエン酸は糖の代謝を促すため、疲労回復に有効です。消化を助ける作用もあるので夏バテ予防に◎。
また、夏野菜は冷房や冷たいものの摂り過ぎによるむくみ対策にとりいれたい食材です。なすやトマトなどの夏野菜には余分な水分を排出する利尿作用と、体内に水分を生み出す生津(しょうしん)作用をもつため、体内の水分バランスを整えるのに役立ちます。(夏のむくみの原因について、詳しくはこちら)
冷蔵庫の常備食材を活用して、夏バテ知らずの夏を過ごしましょう♪
江戸から続く!夏の万能調味料
梅の煮きり
疲労回復を助ける作用のある梅とだしの旨味が立った、まろやかでさっぱりとした味わい。「白だし」のように様々な料理に活用できます。
- 〔材料〕350ml分(冷蔵で1週間保存可能/全量20kcal/塩分8.4g)
- 梅干し(塩分8%の物を使用)......... 4個
※シンプルな味つけの物を選びましょう - 酒...................................................... 300ml
- こんぶ............................................... 10cm分
- かつおだし........................................ 100ml
- 薄口しょうゆ.................................... 大さじ2
〔作り方〕
- 小鍋にちぎった梅干しと種、こんぶ、酒を入れ、こんぶが広がったら中火にかける。
- 沸騰したら弱火で3分煮て梅干しの種とこんぶを取り出し、かつおだしと薄口しょうゆを加えてひと煮立ちさせる。
○アドバイス白身魚や貝の刺身のつけだれ、薬味たっぷりのお吸い物やおひたし、焼きなす、お茶漬けなどに添えるのがおすすめです。
缶詰を活用した簡単薬膳!
サバ缶と梅の煮きりの混ぜそうめん
麺と一緒にきゅうりをいただくことで、塩分の排出を助け、見た目の彩りも豊かに。食欲がない時にもおすすめです。
気血を補うサバ、体を潤すごま、胃の働きを整える小麦(そうめん)など、缶詰を活用することで、手軽ながら夏の体にうれしい食材が一度にとれる一品です。
- 〔材料〕2人分(1人分473kcal/塩分2.5g)
- そうめん.................................... 3束
- きゅうり(千切り).................. 1本
- しそ(千切り)......................... 4枚
- 梅の煮きり(上記参照)........... 100ml ■A
- サバ水煮缶(汁気を切る)....... 1缶(150g)
- 酒............................................... 大さじ1
- 白すりごま................................. 大さじ1
〔作り方〕
- ボウルにAを入れて混ぜる。しそは水にさらしてアクを取り、ペーパータオルで水気を絞る。
- 鍋にたっぷりの湯を沸かしてそうめんをゆでる。きゅうりも加えてひと混ぜしたら冷水にとり、麺をもんでコシを出す。
- 器に2.を盛りつけて1. をのせ、冷えた梅の煮きりを回しかける。全体をよく混ぜてからいただく。
水分バランスを整える
夏野菜のだし煮
体にこもった熱を取り体内の水分バランスを整える作用のある夏野菜が一度にたっぷりとれるスープ。調子に合わせて、生姜を加えるタイミングを変えて、体の温冷のバランスを整えましょう。
- 〔材料〕6食分(冷蔵で3日、冷凍で10日保存可能/1人分61kcal/塩分1.6g)
- なす............................. 3個
- ズッキーニ.................. 1本
- 玉ねぎ......................... 1/2個
- 赤パプリカ.................. 1個
- ピーマン...................... 2~3個
- ミニトマト................... 10個
- かつおこんぶだし........ 600~800ml
- 酒................................. 50ml
- 生姜(千切り)............ 40g
- 薄口しょうゆ................ 大さじ3
- みりん........................... 大さじ2
〔作り方〕
- なすとズッキーニは2~3㎝の乱切りにし、薄めの塩水に浸してアクを取る。玉ねぎは薄切り、パプリカとピーマンは2~3㎝の乱切りにする。
- 鍋にだしと酒、生姜を入れて火にかける。沸騰したら玉ねぎ、なす、ズッキーニを入れ、ひと煮立ちしたらパプリカ、ピーマン、ミニトマトを加える。落しぶたをして、野菜が柔らかくなるまで中火で8~10分煮る。
- 2. に薄口しょうゆ、みりんを加え、さらに2~3分煮て火を止める。室温まで冷まして味を含ませる。
○アドバイス暑がりの人は生姜を入れずに作り、いただく際にすりおろして加えましょう。やや濃いめの味つけにして麺類を加えたり、汁気を少なくして卵とじにしたりしてもよいでしょう。
疲労回復に5分で簡単もう一品!
らっきょうともずくの和え物
血流を促し、疲労回復を助けるらっきょうと酢、胃を守り消化を助けるもずくとオクラを和えるだけ。美味しく夏の体を助けるアレンジレシピです。
- 〔材料〕2人分(1人分35kcal/塩分0.8g)
- 洗いもずく............................... 100g
- らっきょう甘酢漬け ............... 4個
※シンプルな味つけの物を選びましょう。 - オクラ...................................... 3本
- 雑魚.......................................... 15g ■A
- 酢............................................. 大さじ1+1/2
- らっきょうの漬け汁................ 大さじ3
- 塩............................................. 少々
〔作り方〕
- もずくは洗って水気を切り、らっきょうとオクラは薄い輪切りにする。
- ボウルにAを入れて混ぜ、もずくを加え、よく和えてかららっきょう、オクラ、雑魚も加えて全体が混ざり合うように和える。
この方にお話を伺いました
料理研究家、管理栄養士、国際中医薬膳管理師 植木もも子 (うえき・ももこ)

中医学や雑穀などを取り入れた、 美味しいだけでなく、体によい料理が評判。『からだを整える薬膳スープ』(マイナビ)、『いちばんやさしい さかな料理の本』(日東書院本社)他著書多数。