工場を心地よい“里山”に

手入れをして光がさすようになった森

美しい里山の森をつくる

2005年に、駒ヶ根工場は敷地内の自然環境を整備し、「養命酒健康の森」として一般開放しました。私は、森づくりの技術者として、構内の木々や山野草の管理、日々の草刈りや樹木の剪定など、森林・樹木の管理を専門に担当し、人が癒される美しい森づくりに取り組んでいます。当工場の目指す美しい森とは、春は山桜や活き活きとした芽吹き、夏は緑の葉で濃い日陰が生まれ、秋には美しく紅葉し、冬は落葉した森がやがて白い雪景色に変わる、そんな四季の変化を感じられる森です。人にとって安心かつ安全で、五感を刺激する気持ちの良い森を提供したいと思っています。

  • 現場から森の将来像を読み取るのが樹木医の仕事

森の多様性を活かして、心地よい里山に

自然の中で植物は常に競争しています。ありのままでは、競争力の強い種ばかりが茂った多様性のない森になってしまいます。本来「里山」とは、人が手入れをし、利用することで森の健全さが保たれてきました。手入れには明確な目的が必要なのです。現在は理想とする美しい里山に少しずつ近づいてきていると実感しています。

豊かになった森が認められる喜び

「養命酒健康の森」は、2010年に「生物多様性につながる企業のみどり100選※」認定事業場に選ばれました。当社の場合、適切な森づくりによって樹木の種類が増えたことと、自前で森を整備する技術を育み、自らの手で少しずつ作り上げたことが評価されたのではないでしょうか。今後も人の手が入ることで、森はこんなにも良くなるという事を伝えていきたいと思っています。

※生物多様性につながる企業のみどり100選
財団法人都市緑化基金が主催、国土交通省や環境省が後援しており、企業がそれぞれの視点で行っている生物多様保全に貢献する活動を評価し、その中でも特に優良な100の事例を公表する制度。

  • みどり100選認定証

駒ヶ根工場 総務グループ(樹木医)
伊藤 伸二