さて今回は、森林整備によって変わった森の様子を、
森の中の上空と地面の辺りで見てみましょう。
この写真は記念館周辺で、整備前の森の中から上空を見上げたものです。
立木の枝葉のある部分を、専門用語で「樹冠(じゅかん)」または、
「クローネ」と呼びます。
また、森の中で一本一本の立木の樹冠が連なっている部分を
「林冠(りんかん)」と言います。
この写真は、いわゆる「林冠が閉鎖した状態」であり、林内に光が
入りにくい状態になっています。
アカマツは太陽の光に対して敏感な樹種なので、林冠が閉鎖すると、
光が当たらなくなった下の方の枝葉は、自らどんどん枯らしていきます。
ですから、この写真の様に込み合ったアカマツ林では、生きている枝葉
が上の方にしかありません。
枝葉が少なくなれば、一本一本の立木は幹の太りが悪くなり、
森の中には、成長の悪い木や立ち枯れ木が増えて行きます。
こちらは、整備後の様子です。
(※注 上の写真と同じ場所ではありません)
そこで、抜き切りの伐採で、林冠に隙間を作ってあげますと、
林内に光が差し込んで、地面周辺の木々が元気になってきます。
大きく切り開かれた所には、シラカバの幼木が沢山生えてきました。
伐採されたアカマツの命は、新しいシラカバの幼木に引き継がれました。
ちなみに、シカラバの幹は、5~6年目、樹高2~3m辺りから少しづつ
白くなっていくようです。
やっしんでした。