駒ヶ根工場敷地内にある「健康の森」は、豊かな清流・緑の木々、澄んだ空気が育んだ貴重な自然を多くの人々と分かち合う、癒しの森。
駒ヶ根工場で働くスタッフから、健康の森の自然をご紹介します。
駆除は容易ではありませんが、
花は以外ときれいです。
また、花は良い香りがします。
私の子供の頃(昭和40年代後半)から良く飲まれていた、
グレープ味の炭酸飲料の香りに似ています。
万葉の人たちは、こんな「クズ」の花にも、
秋の情緒を感じていたのですね。
私は、そんな情緒を感じつつも、景観整備の為なら
容赦なく刈り払います。
イネ科の一年草、「エノコログサ」<狗尾草>です。
穂の部分を切り取って、手のひらで軽く握り、
小刻みににぎにぎすると、手の中からにょきにょき
出て来るなんて、他愛もない遊びしたことありませんか?
穂の向きを変えて持つと、逆方向に出てきます。
よく見ると、毛色の違うのがいます。
こちらは、「キンエノコロ」<金狗尾草>です。
穂の剛毛が黄金色で、穂が金色に輝いて見えます。
こちらは、「ムラサキエノコログサ」<紫狗尾草>です。
穂の剛毛が紫褐色で、穂が紫色に輝いて見えます。
まあ、エノコログサに秋の情緒を感じつつも、
雑草として、容赦なく刈り払っています。
信州では、朝晩はすっかり涼しくなって、
寝るときは窓を閉めないと、朝方は風邪を引いて
しまうかもしれません。
夕方にはコオロギなどの秋の虫も鳴き始め、
信州では夏もそろそろ終わりです。
去年までは、、、、。
しかし、今年、大きくリニューアルしました。
年明けから、周辺の森林を間伐整備し、池を拡張し、
間伐した丸太を使って橋を作り、新たな散策路を
開設しました。
弥生式復元住居の近くから、チップ舗装された
新しい散策路を歩いて行きます。
20m程歩くと、小川を渡ります。
すぐに、水芭蕉池の橋にたどり着きます。
この橋は、土台は、森林整備で伐り倒したカラマツの株を使い、
梁や桁は、同じく切り倒したカラマツの丸太を使っています。
また、橋板は、製材してもらったカラマツの板を使い、手すり
の杭はヒノキの間伐材です。
橋の板面は少し波打っていますので、足元に注意しながら
渡ってください。
立っているときはそれ程気にならなかったのですが、
橋桁にしてみると、そのカラマツは以外と曲がっていました。
森林整備で伐採した木を、何とか構内で利用したいとの思いから
作った木橋ですので、是非、自然素材の趣きをお楽しみください。
橋の上からは見下ろした池は、橋作製に関わった私たち
にとっても新鮮な景色になりました。
池の周りでは、シオカラトンボやムギワラトンボ、
オニヤンマが盛んに飛び交っています。
水中にはヤマアカガエルのオタマジャクシや、
稀にミズカマキリやゲンゴロウも見ることができます。
是非、記念館から少し足を延ばして、
水芭蕉池周辺の散策をお楽しみください。
刈り残された部分に寄ってみますと、
「カワラナデシコ」や、
「キキョウ」や、
「オミナエシ」が自然な感じで咲いておりました。
懐かしい里山の風景、秋の七草のような野草が咲く
自然な感じの草地を再現してみたいと考えています。
このような草地管理のポイントは、
1.見せたい花がその他の草より、少しだけ目立っている。
2.脇役の雑草を全否定しない。
3.適度な草刈で、競争をコントロールする。
4.こぼれた種からの、自立的な繁殖を促す。
5.虎刈りから、自然なモザイク模様へ移行する。
などです。
植生の適度なコントロールで、野草花が楽しめる、
自然な感じの景観を作り出したいと試行錯誤しています。
「ヤマハギ」の葉っぱは丸いのが特徴です。
こちらは、ハギの仲間で
「キハギ<木萩>(マメ科)」です。
<散策路沿いの林内など>(撮影日:7月31日)
「キハギ」の葉っぱは、先が少しとがっているのが特徴です。
花は薄紫で、「ヤマハギ」より目立たなく地味です。
立秋を過ぎましたので、どんなに暑くても、
もう、残暑お見舞いですね。
信州では、夕方は、早くも秋の虫が鳴き始めました。
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漢字では、<女郎花>と書きます。
日当りの良い山野の草地に生えます。
健康の森では、アカマツ林の整備で明るくなった
記念館やカフェ周辺の草地に、昨年あたりから少しずつ
植えたり、種を播いたりしています。
懐かしい里山の草地の景観を再現したいと思っています。
同じ秋の七草の「ススキ」とも相性がよい感じです。
こちらの白い花は、
「オトコエシ(オミナエシ科オミナエシ属)」です。
<散策路沿いの林内など>(撮影日:8月7日)
漢字では、<男郎花>と書き、「オミナエシ」より
強く丈夫そうに見えるから、ということです。
「オミナエシ<女郎花>」が明るく開けた草地に生えるのに対して、
「オトコエシ<男郎花>」は明るい林内や森の縁に生えるという感じです。
また、長い匍匐枝を出して、先端に新苗を作って
クローン繁殖するのが特徴です。もちろん種もできます。
「オミナエシ」と「オトコエシ」が
並んで咲いていたら、
ちょっといいなあと思いませんか?
私だけ??
失礼しました。
「ヒヨドリバナ」の葉は縁が、ギザギザしていて(鋸歯:キョシがあるといいます)、
葉の付き方は、対生で同じ位置から両側に2枚付いています。
ちなみに、「フジバカマ」は、1枚の葉っぱが、
3つに深く裂けているのが特徴です。
こちらは、
「ヨツバヒヨドリ<四葉鵯>(キク科フジバカマ属)」です。
<散策路沿いの林内など>(撮影日:7月6日)
葉の付き方は、3~4枚が輪生します。
もし、「ヒヨドリバナ」らしきものを見かけたら、
葉っぱの付き方を、観察してみてください。
「ヒヨドリバナ」は対生、
「ヨツバヒヨドリ」は四輪生です。
なぜ、「タマアジサイ(玉紫陽花)」かといいますと、開花を遡ってみましょう!!
という訳で、開花前の花序(かじょ:花の集まり)が、総苞(そうほう)に包まれて、
球形をしているからです。わかっていただけましたか?
散策路沿いの草地で、ひょろひょろ倒れそうな、この野草は、
「アキカラマツ(キンポウゲ科)」です。
<散策路沿いの草地>(撮影日:7月30日)
別名は、「タカトウグサ」といいまして、葉が苦く薬草になります。
私は、子供の頃から胃腸が弱く、これの葉っぱを煎じて、よく飲みました。
まあ、とにかく、強烈に苦かった思い出があります。
これは、「ヌマトラノオ(サクラソウ科)」です。
<山野草コース>(撮影日:7月30日)
以前、登場した、「オカトラノオ(丘虎の尾)」に対して、
「ヌマトラノオ(沼虎の尾)」というわけで、湿地を好みます。
オカトラノオと違って、花序が直立します。
山野草コースの川沿いや、ミズバショウ池の周りで見られます。
これは、
「コオニユリ(ユリ科)」です。
<玄関前>(撮影日:8月6日)
これの仲間で、人里に多い「オニユリ」には、葉の付け根に黒い「珠芽(しゅが)」
という球根にようなものが付きますが、「コオニユリ」にはありません。
「コバギボウシ(ユリ科)」です。
<玄関前>(撮影日:8月6日)
名前は、若いつぼみの集まりが、橋の欄干(らんかん)に
付ける擬宝珠(ぎぼうし)に似ていることにより、
大柄の「オオバ(大葉)ギボウシ」に対して、
葉の小さな「コバ(小葉)ギボウシ」です。
これから、しばらく、健康の森の中で、最もよく
見かける、花かもしれませんね。