体のケア、始めませんか?

体をケアする生活の仕方=「養生(ようじょう)」の知恵

江戸時代の儒学者である貝原益軒(かいばらえきけん)が記した『養生訓(ようじょうくん)』では、養生とは、「変(へん)」に備える術であると述べてあります。「変」とは、気候の変化、仕事や人間関係など社会環境の変化、年齢の変化など、あらゆる変化を含んでいます。

人間を取り巻く「変」

四季の変化、環境の変化、年齢の変化

現代に生きる私たちにも、常に様々な変化がつきまとっています。江戸時代と比べればはるかに便利な時代ですが、人間が「変」と共に生きている点は変わりません。古くからの養生の知恵が現代に活かされる理由は、そこにあるのです。

すべての養生の基本となる考え方は「中庸(ちゅうよう)」です。これは必ずしも「真ん中」や「中間」という意味ではありません。例えば体が陰(いん)の状態だからといって、体を温める食材ばかり食べていると、今度は陽(よう)に傾き過ぎてしまいます。大切なのは各自に合った中庸の状態を保つことです。中庸を外れると、食べ物やコーヒーなどの嗜好に変化がみられることがありますので、その時は要注意です。

「変」への調整力を維持し、さらには高めていくことが養生のポイントです。そのカギを握るのは「気」です。気を整えるために毎日の生活で心がけたいのが、「睡眠」「運動」「食事」「感情」です。

【睡眠】気を補う:睡眠がうまくとれないと、気を減らし、老化を早めてしまう。/【運動】気を巡らせる:体を動かさないでいると気が滞り、病気にかかりやすくなる。/【食事】気を補う:何を、いつ、どれぐらい食べるかをわきまえて食養生を心がける。/【感情】気を整える:感情は五臓に関連している。どの感情も過ぎると体に影響を及ぼす。

コラム

その不調、「未病(みびょう)」ではありませんか?

何となく体がだるい、肩こりがつらい、食欲がない……。そんな不調を抱えていませんか。東洋医学ではこういった状態を「未病」と呼び、治療の対象となります。未病を解消することは、病気を防ぐことにもつながります。

自分に適した睡眠時間で質のよい睡眠を

睡眠は「気」を補うものです。睡眠がうまくとれていないと、気をすり減らし、老化の速度を早めてしまいます。

人によって必要な睡眠時間は異なりますが、一般的には、なるべく0時前に寝床に入り、最低でも6時間は寝るのがよいとされています。長ければ長いほどよいというものでもなく、ほどほどが大切。「十分に休息できた」という感覚を大事にしながら、自分に適した睡眠時間を見つけてください。

その際、睡眠の質も重要です。就寝の3時間前までには食事を済ませ、食べ物が消化してから寝るのが安眠の秘訣です。また、寝る前の習慣として、「腎(じん)」の気を補うツボ押しがおすすめです。

「腎」の気を補うツボ

【湧泉(ゆうせん)】足裏の中央よりやや上にあるツボ。指を内側に曲げた時にへこむ/【心兪(じんゆ)】へその真後ろにある背骨から指2本分外側にあるツボ

夜に質のよい睡眠がとれない時は、昼寝を活用して気をチャージしましょう。ただし、夜の睡眠に影響がないよう30分程度がおすすめ。気分のリフレッシュや、その後の集中力アップにも効果的です。

長時間の昼寝は夜の睡眠に影響が出てしまう。

コラム

楽しいことのあとは気の調整を

旅行後、心はリフレッシュしたのに体がぐったりしている、という経験はありませんか。楽しい行事である旅行も、体にとっては「変」(=変化)。体は普段よりも余計なエネルギーを使っています。ですから、旅行後はしっかりと「気」を調整することが必要です。旅行の予定をたてる際は、旅行期間プラス少なくとも同じ期間の旅行後の休息を踏まえ、余裕をもって日程を組みましょう。

軽い運動を毎日の習慣にする

運動して汗をかくと「気」の巡りがよくなります。血液循環を促し、体内の老廃物を排出する効果もあります。貝原益軒 (かいはらえきけん)の『養生訓』では、「日々朝晩運動すれば、鍼や灸をしなくても、飲食や気血は滞ることなく、病気にかからない」としています。

ただし、中高年以降になると運動とのつき合い方に注意が必要です。運動するにはエネルギー(気)が必要。このことを考慮して、無理のない運動を行うことが大切です。これを怠ると、健康のために始めた運動で気をすり減らし、かえって老化を進めてしまうということにもなりかねません。

理想的な運動養生としては、ウォーキングや犬の散歩などの軽い運動を、汗が爽快に感じる程度まで毎日行うこと。ストレッチやヨガも有効です。毎日が無理な場合は週1日からでもよいので行い、徐々に頻度や程度を上げていくとよいでしょう。

軽い運動から始めてみよう。

血の巡りをよくするストレッチ

血液循環をよくするのでストレッチも有効。起床時や寝る前、入浴中に行うとよい。

①床に座り、足首を前方にそらせながらゆっくりと力いっぱい膝を伸ばす。腿に力を入れて5秒間静止。これを10回繰り返す。

②片方の膝を曲げて、両手で抱え5秒間静止。反対の膝も同様に行う。5回繰り返す。

食養生で腎の働きを補う

食事は「気」を補うものです。その役割を果たすためには食事面での養生、「食養生」が大切です。食養生のポイントは、 まず 「旬の食材をバランスよく摂ること」です。旬の食材には季節の変化に心身が順応する効果が期待できるため、食養生の方法として理に適っています。また、「夕食は寝る前の3時間以上前に」「食べる量は腹八分目」も食養生の大切なポイントです。

お腹いっぱい食べるよりも、腹八分目が健康と長寿の秘訣。

さらにここでは、加齢で衰えた「腎」の働きを補う食養生についてもご紹介しましょう。

腎の働きを補う食材は、山いもや納豆などの「ネバネバ食品」、黒豆や黒ごまなどの「黒い食材」です。加えて、塩辛い味覚が腎を補うとされていますが、塩分の過剰摂取は体に害を及ぼすので、海藻類や貝類などの「海の食材」を活用するとよいでしょう。こういった食材を日々の食生活に取り入れて、「腎」を養生することは、加齢に伴う老化の速度を緩めることにつながります。

納豆にワカメのみそ汁、山いも、黒豆、ホタテと、腎によい食材が揃った献立例。

コラム

薬酒(やくしゅ)を飲むことも養生のひとつ

古くから中国では、「生薬」をお酒に漬け服用していました。生薬とは、植物をはじめ、動物や鉱物などの天然産物由来の薬物のことで、乾燥させたりして漢方薬に用いられています。

生薬は単体でも効能がありますが、複数の生薬を組み合わせることで効能の幅を広めたり、強めたりといった生薬の協力作用が期待できます。

生薬はお酒に漬けることで、有効成分が速やかに吸収され、効率よく体を巡ります。この「生薬+お酒」の効果を利用したのが「薬酒」です。生薬の中には熱に弱いものもありますが、それらはお酒に漬けることでその薬効が抽出でき、お酒の力によって味わい深く、飲みやすくすることができます。また、お酒は感情を和らげ、リラックスする効果が期待できることもあり、これも薬酒の利点といえるでしょう。薬酒を生活の中に取り入れることは、日々の養生にプラスの効果をもたらします。

「生薬+お酒」の効果で、生薬成分を効率よく接種できるのが薬酒のメリット。

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薬用養命酒は人参や芍薬など「不足を補う」生薬と桂皮や丁子など「体を温める」生薬が処方されています。生薬の数は14種類。各々が持つ複数の成分が互いに作用し、効果を発揮する滋養強壮の薬酒です。

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効能 次の場合の滋養強壮/胃腸虚弱、食欲不振、血色不良、冷え症、肉体疲労、虚弱体質、病中病後

【用法・用量】
成人:1回20mL、1日3回 食前又は就寝前に服用してください。

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