知っておきたい
睡眠の基礎知識

一夜で浅い眠りと深い眠りを
繰り返している

睡眠には浅い眠りの「レム睡眠」と深い眠りの「ノンレム睡眠」の2種類があり、私たちは睡眠中、この2つを90~120分のサイクルで交互に繰り返しています。
レム睡眠は全身の筋肉は弛緩していますが、脳は活発に働いている状態です。
この間に記憶の整理や定着が行われ、夢を見るのもこの時です。
レム睡眠中は心拍数、呼吸数が増加して不規則になり、呼吸は浅くなります。
一方、ノンレム睡眠は脳が休息している状態で、体も休んでいますが、筋肉はある程度働いています。
ノンレム睡眠中は心拍数、呼吸数は安定し、深くゆったりとした呼吸になります。
ノンレム睡眠の眠りの深さは3段階に分けられ、深くなるほど脳は休息状態になります。
通常は睡眠の前半は深いノンレム睡眠が多く、後半は浅いノンレム睡眠が増え、早朝にレム睡眠が多く出現します。
こうした2種類の睡眠によって疲れた脳と体を回復させると共に、朝に向かって覚醒しやすいリズムがつくられています。

レム睡眠、ノンレム睡眠の表

一夜の睡眠経過

睡眠に関係の深いホルモン

睡眠中には、何種類ものホルモンが体内で分泌されています。
その中でも成長ホルモン、メラトニン、コルチゾールは体の健康維持、増進にかかわる重要な役割を担い、睡眠と覚醒のリズムとも関係の深いホルモンです。
体をつくる成長ホルモンは、深いノンレム睡眠で熟睡している時に最も活発に分泌されます。
また、空腹時に分泌が活発になるため、夜遅い飲食は避けましょう。

成長ホルモン メラトニン コルチゾール

睡眠覚醒をコントロールする体内時計

毎日の睡眠覚醒リズムをコントロールしているのは、私たちの体に備わっている「体内時計」のシステムです。
体内時計の周期は通常は24時間より若干長いため、1日24時間の生活に合わせるには、どこかでずれを調整しなければなりません。
その調整役を担っているのが、太陽の光です。
朝に太陽の光を浴びることで、目から光の情報が伝わり、体内時計がリセットされます。

体内時計の働き

光でリセット

体内時計はホルモンの分泌や自律神経(交感神経と副交感神経)のリズムにもかかわっている。
体内時計に即した生活をすることで、昼夜のモードの切り替えがスムーズに行われる。