私たちは生命の維持に必要なエネルギーを毎日の食事から摂取しています。
栄養素を体内に取り込み、エネルギーに換える役割を担う胃腸の健康がいかに大切であるかは、いうまでもないでしょう。
ところが近年、体質的に胃腸の働きが弱い胃腸虚弱の人だけでなく、ストレスや食生活の乱れによって、胃腸の不調を訴える人が増えているのです。
胃腸の働きには自律神経が大きく関係しているため、疲労や寝不足、寒さ、暑さ、不安、悩みなどのストレスに大きく影響を受けます。
胃腸は気候や社会環境、年齢などの「変化」に対しても敏感な臓器です。
特に季節やライフステージの変わり目などは、胃腸の不調が起こりやすくなります。
胃腸は冷えにも弱いので、保存方法や物流の発達などにより、体を冷やす夏野菜や南国の食べ物が1年中誰でも手に入るようになったことも、不調を助長する原因となっています。
自律神経とは、自分の意思に関係なく、呼吸、心拍、消化などの機能をコントロールする神経のこと。活動神経である「交感神経」とリラックス神経である「副交感神経」の2つがあり、通常は両者がシーソーのようにバランスをとりながら働き、健康が保たれています。
ところが日々の生活の中でどちらかが優位になり過ぎるとこのバランスが乱れて、胃腸が正常に機能しなくなり、様々な不調や症状が現れます。
特に、腸の動きは交感神経と副交感神経とのバランスが大切であり、これが崩れると便秘や下痢になりやすくなります。