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  • 【2007年8月号】今日一日だけ努力しよう、という心意気でやってきた。

今日一日だけ努力しよう、
という心意気でやってきた。

錣山(しろこやま)親方(元関脇・寺尾) 1963年~

角界を駆け抜けた色男 その裏にある努力

筋肉質の身体に端正な容姿。巨漢力士に真っ向から立ち向かい、高速の突っ張りで相手を翻弄。現・錣山親方が「寺尾」関として土俵に上がっていたことを記憶に留めている方は多いと思います。

1979年の名古屋場所で初土俵を踏み、生涯成績は860勝938敗58休 (140場所)。先日、魁皇関に抜かれたものの、生涯通算白星は 歴代6位の記録です。ちなみに黒星は歴代1位。不名誉な記録に思 えますが、現役時代には本人自ら「長くやっていればこうなるよ。 どうせなら4ケタ(1000敗)を狙おうか」と笑い飛ばしています。

軽量であることがそのままハンディとなり、「アンコ型」力士が 幅を利かせた角界において、これほど長い間活躍した「ソップ型」 力士は、そういません。

頑張るべきは「明日」ではなく「今日」

若い時分は「自信」に突き動かされる形で日々を過ごせるもの。しかし経験を積むにつれ、新勢力の台頭や自らの衰えを意識し始め、不安に陥るものです。現に1991年3月場所、弱冠18歳の力士に黒星をつけられました。その力士の名は貴花田。ご存知、のちの貴乃花です。このときの悔しさが、長く相撲をとることに繋がったと、引退後に親方は語っています。

現役時代には「年をとれ ばとるほど不安」とも語っていました。しかし、不安だからこそ じっとしておれずに身体を動かし続けた。同時に、長く頑張り続 けるのは難しいから“今日だけ”精一杯努力しよう、と日々考え ていたそうです。今日もそう考え、明日は明日でまた「今日だけ がんばろう」と考える・・・その積み重ねが様々な記録をもたら しました。

「明日がんばろう」ではなく「今日」。その大切さを 記録は物語っています。