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  • 【2006年5月号】少しくらい間違ってもかまやしない。機械じゃあるまいしさ。

少しくらい間違っても
かまやしない。
機械じゃあるまいしさ。

イングリット・フジ子・ヘミング
生年月日未公表

壮絶な人生を経たピアニスト

1999年8月、1枚のCDが日本でリリースされました。『奇蹟のカンパネラ』。ピアノ演奏家、フジ子・ヘミングのデビューCDです。クラシックにも関わらずヒットチャートに食い込むセールスを記録。大ヒットとなり、今もなお彼女のコンサートは即日完売するほどの人気を得ています。彼女の人生は、一言でいえば波乱万丈でした。日本人ピアニストの母とスウェーデン人建築家の父の間に生まれ、天才少女と言われつつ17才でコンサートデビュー。が、翌年に「住んだことがない」という理由でスウェーデン国籍を剥奪され、冷遇されます。無国籍のフジ子は30歳のときに「避難民」としてなんとかドイツ留学を果たし、カラヤンやバーンスタインら世界的な音楽家達に認められました。が、またも不幸に見舞われます・・・。

くよくよ悩む前に唱える「機械じゃあるまいし!」

風邪により、一気に聴覚を失ったのです(現在は左のみ多少回復)。演奏会はすべてキャンセル。いつしか忘れ去られていきました。時は過ぎ1995年、30年余りの海外生活に終止符を打ち日本へ帰国。平凡なピアノ教師になる決意をしましたが「人生をもう一度取り戻したい」という想いがつのり、デビューに至ったのです。今回の名言は、フジ子さんが自分の演奏について語ったものです。世界的ピアニストの言う「間違ってもかまやしない」は、なんとも豪気に溢れていて素敵ですね。正確に技巧をこらし、譜面に忠実に弾くことをしない彼女の演奏は、心にしっかりと届きます。おかした間違いにくよくよ悩みがちの方は、フジ子のように「機械じゃあるまいし!」と心の中で唱えてみてはどうでしょう。