アメリカを代表する哲学者・心理学者のひとり、ウィリアム・ジェームス。若かりし頃は画家を目指していましたが、才能がないことを自ら痛感して断念。その後、博物学や生物学に興味を持つようになり、ハーバード大学で医学を学んで解剖技術を身につけ、学位を取得。1875年にはアメリカで初めて心理学の実験所を設立。米国史上初の心理学者となりました。やがて生物学だけでは人間がわからないとして、哲学の道へ。以降ハーバード大学の教授として数々の本を刊行し、哲学の世界でも当時米国の第一人者となったのです。

ジェームズの経歴をみると、学問の枠を飛び越えて興味が向くままに、純粋に、ものごとを探求した人だったことが浮き彫りになります。「哲学」には、とかく小難しい印象がつきまといますが彼は常にわかりやすい言葉を用い、語り口もソフトだったそうです。今回の名言もわかりやすいですよね。ここでは「歌」に言及していますが、要は「なにかをする」こと自体が、幸せを生むタネであることを喝破しています。幸せになってからやろう、成功してからやろう、落ち着いてからやろう・・・人は「○○してからやろう」と思うこともしばしばですが、今なにかをすることが、明るい未来をもらたすことを常に念頭に置いておきたいものです。