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インド人もビックリ?! カレーの意外な「隠し味」とは? 斬新すぎる「ご当地カレー」の世界、「辛い」はイタイ?激辛がクセになるワケなど、今月はカレーの雑学をご紹介!

インド人もビックリ!カレーの意外な「隠し味」

インド発祥のカレーは、イギリスを経由して日本で独自のカレーライス文化を発展させてきました。給食の好きなメニューランキングでも必ず上位に食い込むカレーは、今や日本人のソウルフードといえるでしょう。味付けも日本独特の発展を遂げています。しょうゆやかつお出汁を入れるという家庭も多く、「カレーうどん」や「カレー南蛮」は、その進化形といえます。「カレーうどん」は早稲田大学の側にあった「三朝庵」の店主が1904年頃に発明したとか、東京・中目黒の「朝松庵」が1908年にカレー×うどんを「カレー南蛮」として売り出したなど、諸説あります。いずれにしても、世界遺産でもある和食文化の真髄である出汁とカレーのマリアージュを考案した日本人はすごいですね。
ちなみに、カレーにはチョコレートやハチミツといった甘いもの系の隠し味が使われることもありますが、その必殺版といえるのが、災害時などに自衛隊が炊き出しカレーに入れているというウワサのコーヒー牛乳です。実際にインターネット上などで見られる東日本大震災のときの自衛隊の炊き出し映像では、もはや隠し味とはいえないほど、市販の紙パック入りコーヒー牛乳をダイナミックに大量投入している様子がうかがえます。意外とコクが出てリッチな風味になるそうなので、ぜひお試しを!

斬新すぎる!「ご当地カレー」の世界

カレー

近年、日本全国の名産をカレーの具にした「ご当地カレー」「地カレー」と呼ばれるカレーが大人気で、500種はあるといわれています。そのラインナップを覗いてみると…北海道の「たらばがにカレー」、宮城県の「厚切り牛タンカレー」、福井県の「越前いかカレー」、富山県の「しろえびカレー」、広島名産の「かきカレー」などなど、まさにその都道府県イチオシの名産がフィーチャーされています。中には、戦艦大和の乗組員さんの証言に基づいて再現された広島県呉の「海軍さんのカレー」や、山口県の下関発「くじら南極海カレー」といったレアなカレーもあります。
フルーツ系カレーも多彩で、山形県産「さくらんぼカレー」や、茨城県産「メロンカレー」、和歌山県産「みかんカレー」、桃太郎を生んだ岡山県産「白桃カレー」など、華々しい様相を見せています。果物ではないけれど、静岡県産「わさびカレー」や、茨城県産「ほしいもカレー」、「栗カレー」も気になるところです。
極めつけは、カラー系のカレーです。鳥取県名産のビーツで色付けされたカレーは、その名も「ピンク華麗」。ラブリーなピンク色のカレーソースが衝撃です。また、北海道の流氷をイメージした「オホーツク流氷カリー」は、食卓に出された瞬間、顔面蒼白になること間違いなしの真っ青なカレー。味はバターチキンカレーに似て美味しいそうですが、青は食欲を減退させる色なので、ダイエット中の方に向いているかもしれませんね。

辛いはイタイ?激辛がクセになるワケ

カレーといえば、まず「辛い」と表現する人が多いのではないでしょうか? しかし、五感の1つである味覚は生理学的に「甘味・酸味・塩味・苦味・うま味」の5味が基本とされており、味覚に「辛味」は存在しません。「辛味」は主に痛覚によって感知するので、味覚とは区別されているのです。確かに、激辛カレーを食べると口の中がヒリヒリしますよね。辛いは英語で「ホット」「スパイシー」「シャープ」などと表現しますが、「ホット」はまさに口がカーッと熱くなり、痛みに似た刺激のあるトウガラシのような辛さを指します。「スパイシー」はコショウなど文字通りスパイスの効いた味で、「シャープ」はワサビやカラシのように鼻の奥が「ツーン」とくる辛さです。
こうした辛さの差異は、含まれる辛味成分の性質によって違ってきます。トウガラシの辛さは辛味成分であるカプサイシンの分量を示す「スコヴィル値」で割り出せます。日本でおなじみの「三鷹トウガラシ」はスコヴィル値が4~5万ですが、激辛トウガラシの一種「ハバネロ」は30万スコヴィル、アメリカ製の超激辛ソース「デスソース」は1600万スコヴィルとケタ違いの辛さを誇ります。激辛党の人はトウガラシで真っ赤な料理を平気で食べますが、辛いものを繰り返し食べると、快感をもたらす脳内物質βエンドルフィンが分泌されます。そのため、次第にその快感のとりこになって、激辛料理がやみつきになってしまうのです。