養命酒ライフスタイルマガジン

健康の雑学

香りとハーブの雑学

王妃が使った“若返りのハーブ”とは?蚊が寄り付かなくなるハーブは何?香りとハーブに関する雑学をお届けいたします!

ハーブに花に、線香の街も。環境省「かおり風景100選」

今回の特集ではお部屋で香りを楽しむことについて述べてきましたが、香りの源(みなもと)は当然ながら自然の中にあります。花や新緑などの香りはもちろんですが、地域や風土によって微妙に異なる香りを楽しんでみるのも楽しいものです。

以前、環境省で選定された「かおり風景100選」をご存知でしょうか?文字通り、“香りを伴う”美しい風景や情緒ある場所などを全国から100箇所選び抜いたものです。そこで今回は、その中からいくつかご紹介したいと思います。

まず多いのは、やはり“花のある風景”。北海道富良野市、上富良野市など一帯を占める「ふらののラベンダー」は、5月から9月ぐらいまで、見渡す限りのラベンダー畑が広がっています。リラックスを促すラベンダーの香りと、紫色に広がるラベンダー畑。心休まるひとときが過ごせます。北海道北見市は「北見のハッカとハーブ」として選定され、こちらもハッカ、つまりペパーミントが一面に広がっています。

山口県萩市にある”かおり風景”は、「萩城下町夏みかんの花」。明治以降、路頭に迷う武士の経済支援として城下町が夏みかん畑にとって変わり、今もなお残存しています。花が咲くのは5月ごろ。風情溢れる城下の風景と、ほのかに甘い夏みかんの花の香りがマッチしています。

変わったところでは、瀬戸内海に浮かぶ淡路島の「一宮町の線香づくり」。一宮町は市町村合併により現在は淡路市となっていますが、ここは全国の約70%を占める線香づくりの町。そこかしこから漂う線香の香りは、この地域ならではのもの。香りをテーマにした「淡路香りの公園」や「パルシェ香りの館」などもあり、“香る町”として観光にも力を入れています。

美しい風景をみるために旅に出かけることはよくありますが、「香り」目当てで旅をしても楽しそうですよね。香りでリフレッシュする旅に出かけてみてはいかがですか?

かおり風景100選ホームページ

蚊が寄り付かなくなるハーブとは?

ご自宅のベランダやお庭などでハーブを育てている方もいらっしゃると思います。育てている段階から強い香りを放つハーブゆえに、虫が寄ってくることが多々ありますよね。アブラムシやハダニなどもハーブの種類によっては虫がつきやすく、なかなかお手入れが難しいところではあります。

ただし、人間が良い香りだなと思うものでも、虫にとっては「嫌な臭い」というケースもあるんです。つまり、その匂いを放つハーブを植えておくと「虫除け」になる、ということ。その代表的なハーブが、ゼラニウムです。

日本では「蚊連草(カレンソウ)」などの名前でも販売されているゼラニウムは、人間にとって良い香りを放ち、なおかつ可憐な花が咲くハーブ。ただし蚊の苦手な成分を発しているため、蚊が寄り付かない、といわれています。もちろん、完璧に寄り付かなくなる、ということはないようですが、補助的な役割は担ってくれそうです。

また、精油を使って虫除け対策をすることもできます。30ml程度の精製水に、ラベンダーの精油を3滴。よく混ぜてスプレー容器に入れて植物に吹きつけると効果が期待できます。

虫がこなくなったり虫がつかなくなることは、人間だけでなく一緒に植えてある植物にとっても好都合。たとえばフレンチマリーゴールドというハーブは、トマトにとって有害なコナジラミという虫を遠ざけるため、トマトのそばに植えておくと効果が期待できるというわけです。

「ボリジ」という地中海沿岸が原産のハーブは、イチゴとの相性が抜群。こちらは昆虫を遠ざけるのではなく、ミツバチなどの受粉を行なう昆虫を引きつけてくれるため、イチゴがたくさんの実をつけたり、味も美味しくなるといわれています。

このように、一緒に植えておくとお互いに良い影響がもたらされる植物のことを、園芸用語で「コンパニオンプランツ」と呼びます。農薬を極力使わずに育てる知恵といえますね。

70歳を超えて求婚された王妃!その影にはハーブあり

ハーブの歴史を振り返ると、そこには多種多様な“言い伝え”が残っています。なかでも「女王様」や「恋」にまつわるエピソードが多く言い伝えられています。

かのクレオパトラが愛用していたといわれているのはバラ。洗顔や入浴をはじめ、生活のあらゆるシーンでバラの芳香を楽しんだといわれています。その美貌がバラによるものだったかどうかはわかりませんが、バラ=ローズが現在のアロマテラピー文化においても女王さながらの気品を持っているのは事実。バラの精油は高級品で、精油1滴を作るのに50本のバラが必要といわれているほどです。

バラの花弁やつぼみを乾燥させたハーブは、ポプリやハーブティーにもよく用いられます。野バラの一種、ドッグローズの実は「ローズヒップ」と呼ばれ、こちらもビタミンが豊富でお茶などに使われています。

さらに代表的なエピソードが「ハンガリー王妃の水」。中世ヨーロッパのハンガリーの王妃が、リウマチとおぼしき手足の痛みを伴う病を患いました。あるとき、ローズマリーのエキスが献上され、そのエキスを洗顔や入浴時に利用したところ症状が良くなった、といわれています。

ただし、ここで話は終わりません。症状の良くなった王妃に、隣りの国の王子が求婚したとのこと。そのとき、王妃はなんと70歳を越えていたとか!このエキスの細かいレシピは現存していませんが、“若返りの水”として後世に名を遺しました。

美を磨くことに余念がなかった過去の女王や王妃達にとって、ハーブはかけがえのないものだったのかもしれませんね。

東洋ハーブの味と香りで癒しを演出

≪ハーブの恵み≫
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