養命酒ライフスタイルマガジン

健康の雑学

働くことが元気を生む!健康と労働の雑学

労働の歴史は・・・と紐解くまでもなく、「働くこと」の歴史は人間の歴史そのものです。昨今では「定年後も働きたい」と考える人も増えています。
もちろん経済的な理由もあるかもしれませんが、働くこと、「誰か」のために奉仕することが、健康の保持につながるという見方も生まれてきつつあります。今回は「健康」と「労働」についての雑学です。

「働き者」の多い県は長寿県!?

よく「日本人は働きすぎ」ということを耳にします。これは世界を基準にすると「もっとも」な意見で、平成15年度の日本の労働者一人当たりの年間総労働時間は1,853時間(厚生労働省調査)。アメリカとはほぼ同じ水準ではありますが、フランスやドイツなどに比べると400時間ほど多い状況です。


一部では、過労は社会的な問題になってはいますが、なにも「労働」そのものが悪いわけではない、というところがポイントです。
今年1月に世界最高齢となった、114歳の皆川ヨ子(よね)さん。よく働くこと、さらに少量のお酒を飲むことが長寿につながったのでは、とお孫さんは言っています。
ちなみに以前、同コラムで紹介した泉重千代さんも、適度なお酒を飲み、105歳まで働いていました。


さて、「長寿」と聞いてまっさきに浮かぶ都道府県は、やはり沖縄県です。実際、那覇市の市場では元気に店を切り盛りするおばあちゃんの姿を至るところでみることができます。
今回紹介したいのは、その「沖縄」の陰に隠れて?健闘している福井県と長野県です。


福井県民の平均寿命は、男女ともに全国第2位(厚生労働省「平成12年都道府県別生命表」 )。
現在、県をあげて長寿に関するさまざまな調査・分析が行われています。米食を中心としたバランスよい食事、医療・福祉サービスの充実、三世代世帯の多さ(全国2位)、経済的なゆとり(1世帯の貯蓄高全国第1位)など、さまざまな要因が挙げられていますが、そのうちのひとつが「働き者が多い」ということ。女性の月間平均実労働時間は全国第1位です(177時間)。
また、ボランティア行動者率は滋賀県に次いで全国2位。ちなみにボランティア行動者率については、人口の多い都道府県ほど低い傾向が現れています。


長野県の平均寿命は、男性が全国第1位で、女性が全国第3位。2000年の国勢調査によると65歳以上の高齢者就業率も30%を超え、全国第1位とのこと。およそ3人に1人が定年後も農業などに従事し、働いていることになります。
注目したいのは、その一方で高齢者医療費は最も少ないということ。福祉や在宅医療体制の充実などの効果もありますが、「働くこと」が「健康」を保つということも十分考えられると思います。


現在は、団塊の世代が「セカンドライフ」に入る時代。
一生懸命日本のため、家族のために尽くして働いた世代ゆえ、一部では「趣味を持たない」世代ともいわれています。
しかし、趣味がないからといって嘆いたり、無理やり趣味を探すというのは本末転倒です。ボランティアに参加するなどして地域や家族のために「尽くす」こと、「やりがい」をまっとうすることを、これまでどおり続けてみてはいかがでしょう。それが健康と元気を保つことに繋がるのではと思います。


経済学者ウィリアム・ぺティはこう言いました。「健康は労働から生まれ、満足は健康から生まれる」。