養命酒ライフスタイルマガジン

研究員のウンチク

薬草風呂

日本人は、世界一お風呂や温泉が好きな民族といわれています。私も温泉が大好きなので仕事の帰りに職場の近くにある温泉に良く行きます。この温泉は美人美肌の湯として知られており、私の一日の疲れを癒してくれる憩いの場となっています。近くに美人美肌の温泉がある所はそんなに多くはないと思いますので、家庭で簡単に入れる美肌に効果のある薬草風呂をご紹介します。

薬草風呂といえば、端午の節句のショウブ湯や冬至のユズ湯などが昔から良く親しまれています。薬草風呂の効果は、使われている薬草に含まれている精油成分が風呂の湯に溶け出し、肌に刺激を与えて血のめぐりをよくし、新陳代謝を活発にしてくれます。また、薬草に含まれているタンニンには肌を引き締め、肌荒れを防止したり、湿疹やあせもなどの皮膚病の治りを早める効果も知られています。

さて、寒い冬にぴったりの美肌効果が期待できる薬草風呂の定番は「ヨモギ(蓬)風呂」です。ヨモギは5~7月頃に茎葉を採り日陰でよく乾燥させたものを使いますが、漢方薬局で乾燥させたものを「艾葉(がいよう)」としていつでも買うこともできます。「ヨモギ風呂」には、乾燥した葉を木綿の袋に200gくらい入れ、水から浴槽に入れ沸かします。生の葉が手に入れば600gくらいを同様にして使います。入浴はぬるめのお湯にゆっくりと入るといいでしょう。

「ヨモギ風呂」は、体の芯まで温まり肌荒れや冷え性に効果があります。またヨモギの精油成分であるシオネールには安眠を促す働きがあるので気持ちがリラックスし、よく眠れるようになります。この温補効果と安眠効果により、翌朝には美肌効果を期待することができます。


ドクダミ


ヨモギ


チンピ


トウキを刻んだ状態

その他、薬草風呂にはドクダミ、トウキ(当帰)、チンピ(陳皮;みかんの皮)、桃の葉なども美肌効果が知られており、漢方薬局で購入することができます。寒い日にはこれらの薬草を湯船に浮かべ、ゆっくり薬草風呂につかって一日の疲れをとるのもいいですね。

石塚 康弘(養命酒中央研究所・主任研究員)