養命酒ライフスタイルマガジン

研究員のウンチク

氷餅

氷餅は、とても厳しい長野県の冬の寒さを利用して作られます。我が家では小正月ごろにつくります。


吊した氷餅と大わらじ

年末につく正月用の餅には餅つき機を使うこともありますが、氷餅だけは杵と臼でつかないとうまくできないので、我が家では年が明けてからが本格的な餅つきの季節です。多いときは一斗の餅をつき、四角く切り分けて一切れづつ紙にくるみ、わらで括ってつなげます。4~5日間水に浸してから風通しの良い軒先などにつるしておき、およそ二ヶ月ほどすると、乾燥してパリパリになった氷餅の完成です。

さて食べ方ですが、湯飲み茶碗に一切れの氷餅を割りいれ、熱いお湯やお茶を注いで少し柔らかくなったところで食べます。お湯で柔らかくなった氷餅は離乳食や歯の悪い方にも適しています。乾燥させているため保存性がよく、お湯があればいつでも食べられるので、以前は農繁期の作業のお茶菓子として人気がありました。昔のインスタント食品といえるかもしれません。

最近では近所でもあまり見かけなくなってきましたが、我が家では子供たちが大喜びでおやつとして食べますので、当分の間は作ることになりそうです。

小野 洋二(養命酒中央研究所・主任研究員)

妻や子供達はとても喜んで氷餅を食べています。私は個人的には特別おいしいとは思いませんが..