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  • 【2018年9月号】 秋の星月夜ヒーリング☆ スマホを消して、夜空を見上げよう!

秋の星月夜ヒーリング スマホを消して、夜空を見上げよう!

2018年の「中秋の名月」は、秋分の日の翌日の9月24日です。夜が段々長くなり、空が澄んでくる秋は、星や月を鑑賞するのに最適な季節です。今月は、プラネタリウムのスペシャリストに、秋の星や月を楽しむポイントを教えていただきます。スマホやTVを消して、夜空を見上げれば、気分転換やストレス解消になるのはもちろん、日ごろ酷使しがちな眼や首のストレッチにも役立ちます。

月の満ち欠けと人体の不思議な関係とは?

海の潮の満ち引きは月の引力によって起こり、新月と満月のときに潮の干満差が最も大きくなります。海は生命の源であり、人体の約6割は水分でできていることから、アメリカの精神科医アーノルド・L・リーバー氏は人体も月の引力の影響を受けているという理論を1980年代に発表しました。その信憑性には賛否両論あるようですが、はるか昔から月と人体には密接な関係があると考えられていました。

海と満月

医学の父といわれる古代ギリシアの医師ヒポクラテスは、満月のときは出血が多くなると考え、月が欠けていくときに治療を行っていたそうです。また、古代中国の鍼灸医学書『黄帝内経素問』には、「新月のころには血気がなめらかになり、満月には血気も満ちる。月が欠けていくと筋肉はやや衰え、経絡が空虚になる」といった内容が書かれています。いずれも科学的実証性はありませんが、満月から満月までの周期と女性の月経周期がほぼ同じであったり、サンゴやウミガメなどが満月のときに産卵するといった不思議な現象があるのも事実です。

日本人は月を中心に生活していた!

世界各地の民族は、古来より月の満ち欠けの周期を基準にした「太陰暦」をベースにして暮らしてきました。日本でも、明治時代に太陽の動きを基準にした「太陽暦」に切り替わる前は、旧暦といわれる太陰暦(太陽の運行とあわせた太陰太陽暦)が使われていました。今も年中行事に旧暦の名残が見られます。中秋の名月も、旧暦の8月15日に見える月を指しています。

お月見に不老不死を願うわけ

中秋の名月を愛でる習慣は、平安時代に中国から伝わってきましたが、ススキを飾ってお団子を食べる風習は日本特有です。古来、月の満ち欠けは死と再生を繰り返す輪廻に結び付けて考えられており、十五夜に不老不死を願うのもその名残といわれています。中国には、月に不老不死の女神が住んでいるという故事があり、『竹取物語』でも満月の夜にかぐや姫が月に帰る際、不老不死の薬を置いていくというエピソードがあります。

ススキとお団子

夜空観賞のスペシャリストに訊いた!
秋の夜長の星月観賞の楽しみ方

お話を伺った先生
コスモプラネタリウム渋谷
解説員
佐々木 勇太さん
プラネタリウムを見終わった後、思わず空を見上げたくなるような語りを心掛けています。

学生時代にプラネタリウムと星空に魅了され、星空をテーマに世界一周の旅を実現。その経験を活かしたロマンチックな解説に定評のある"旅する星空解説員"。

http://www.shibu-cul.jp/planetarium

コスモプラネタリウム渋谷

東京都渋谷区桜丘町23-21
渋谷区文化総合センター大和田12F

TEL:03-3464-2131

開館:火~金曜12時~20時、土日・祝日10時~20時

休館:月曜(祝日の場合は開館。直後の平日が休館 ※投影機器保守などで開館日時が変更となる場合あり)

http://www.shibu-cul.jp/planetarium

コスモプラネタリウム渋谷
コスモプラネタリウム渋谷

秋の夜空の5つの楽しみ方

point1
最大光度に輝く金星を探そう

2018年9月21日は、「金星」が最大光度(-4.6等)に輝きます。最大光度になるのは21時43分ですが、日本では19時頃に金星が沈んでしまうので、少し前の18時45分頃に西南西の方角を向き、低空を眺めてみてください。晴れていれば、夕焼け色がほのかに残る日没後の美しい空に、金星がいつもよりひときわ明るく輝いているのが見えるはずです。かなり地表に近い位置にあるので、高いビルの上や視界を遮るものがない高台などから眺めることをおすすめします。

point2
膨らむ月と赤い火星のランデブーを目撃しよう

2018年9月21日に金星が西に沈んだら、今度は21時頃に南の空を眺めてみてください。地表から約40度ほどの角度に月が見え、そのやや右下方に、赤く輝く火星が見えます。火星は2018年夏に地球に最接近しましたが、9月21日には-1.6等級で明るく輝いています。(-1.6等級は1等級よりも明るい星です)。満月に向けて膨らみつつある月齢11.7の月と赤い火星の仲よしショットをお見逃しなく!

point3
夏の大三角と秋の四辺形を探そう

同じ2018年9月21日の21時頃、月と火星の輝く南の空の上空を振り仰ぐと、夏を象徴する七夕の彦星(わし座のアルタイル)、織姫(こと座のベガ)、白鳥座のデネブを結ぶ「夏の大三角」が、過ぎゆく夏を惜しむように浮かんでいるのが見えます。さらに、東南東の上空に目を移すと、翼を持った天馬の星座ペガスス座の胴体に位置する「秋の四辺形」が見えます。ぜひ「月、火星、夏の大三角、秋の四辺形」の織り成す夜空のドラマをお楽しみください。

point4
都会で中秋の名月を満喫するコツとは?

2018年の中秋の名月は9月24日(満月の瞬間を迎えるのは9月25日午前11時52分)です。星空観察は角度的に見やすいとされる南を基準にしますが、特にこの季節は首を自然に上げた角度で月を眺めることができます。都会でお月見をする際は、イルミネーションや街灯の光によって見づらくなるので、両手で双眼鏡のような形を作って目の周りを覆うと、周囲の光が遮られて見やすくなります。さらに、室内から眺めるときは、部屋の電気を消すと、夜空に浮かぶ月や星がよりクリアに見えます。

都会から見える月

世界中の星空スポットを旅した佐々木さんいわく、人工の光がまったくない砂漠や離島などで見える月や星は、驚くほど明るく、月光が形作る自分の影もくっきり見えるそうです。

佐々木さんの撮影したヨルダンのワディラム砂漠の満月
佐々木さんの撮影したヨルダンのワディラム砂漠の満月

佐々木さんの撮影した沖縄県竹富島から見えた天の川
佐々木さんの撮影した沖縄県竹富島から見えた天の川

point5
プラネタリウムを見ると夜空観察がより有意義に!

プラネタリウムでは、その季節に見える星や月の特徴を映像などと合わせてわかりやすく解説してくれます。すると、漠然と夜空を見上げていただけでは気付かなかった星や星座を見つけやすくなり、夜空の楽しみ方がぐっと増します。プラネタリウムでリクライニングシートに身を預けて満天の空を眺めれば、忙しい日常を忘れて、気持ちをリセットできます。非日常の時間に浸ることで、ストレス解消にも役立つのではないでしょうか。

コスモプラネタリウム渋谷
コスモプラネタリウム渋谷

ときには、スマホもテレビも部屋の明かりも全部オフにして、星空をゆったり眺めながら、心身ともにリラックスした時間を楽しんでみてはいかがでしょう。

月

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