養命酒ライフスタイルマガジン

特集記事

“快腸”生活、はじめる!

毎日、健康な“お通じ”はありますか。便秘は、体調不良や肌荒れの原因にもなります。食生活の改善と運動で腸の環境を整え、“快腸”な生活をはじめましょう。

いうまでもなく『便秘』とは、排泄物が腸に残り、水分が吸収されることで硬さを増しさらに排泄されにくくなる、 いわゆる“お通じ”が来ない状況のことです。便通には個人差があるため、「便の回数が少ないから便秘」と一概には言えません。回数の多い少ないではなく、「便が出なくて不快感や苦痛を伴うようになったら便秘」と考えてよいでしょう。

便秘は、肌荒れや疲労感、イライラ、肩こり、腰痛をはじめ、大腸がんや生活習慣病の一因になることもあります。放っておかず、腸の調子を整えて、元気なお通じを迎えたいものですね。

今回の特集では、便秘に悩むY記者(女性・34歳)に、脱・便秘をめざすマッサージ体験取材に行ってもらいました。果たしてY記者のお通じは、改善されたのでしょうか?また、日常生活で実践できる“快腸”のコツもあわせてご紹介します。健やかな腸づくりにお役立てください。

体験リポート
“腸揉み”と“足裏リフレクソロジー”でスッキリお通じを目指す!

今回、便秘解消体験レポートを担当するY(34歳・女性)です。私の場合、お通じは、だいたい3日に1回程度といったところ。旅行などに出かけたりすると、それこそ1週間ほど出ないこともありますし、ときおりお腹の張りも感じます。そこで今回は、腸を揉むマッサージと、足裏のリフレクソロジーで便秘解消にトライしてみることになりました。昨日お通じがあったので、本来の私なら3日後というところですが、翌日にお通じを達成するという目標を定めました。

まずはマッサージから。各メディアで紹介されている「腸を揉む」マッサージにトライしてみます。

「腸を揉む」マッサージ

添える手は両手の人差し指、中指、薬指を使います。おへその左下からスタートして、おへそを中心に腸をなぞるようにして、時計回りにゆっくりと押し当てていきます。これを5周、繰り返しましょう。おへその上部は、腸と胃が重なる部分でもあるため、気持ち弱めにすることがポイント。腹筋に力を入れず、リラックスさせた状態で行います。椅子に座ったり、あおむけに寝て膝を立てるとさらにリラックスしやすくなります。

基本は、お腹の上から腸、つまり食べ物が通る道順をなぞっていくこと。このマッサージを行ったのはお風呂の中ですが、就寝前でも効果が期待できるそうです。たしかに、お腹の張りは若干軽減した気がします。軽減した気がする…(思い込みも大事?)。おっ!来たかな?ということでトイレに駆け込みましたが、残念ながら至らず。ただ、腸もみは日々続けてこそ、生活習慣病の予防や冷え性改善、ダイエットなど、いろいろな効果が期待できるといわれていますので、これは引き続きやってみることにしました。なにしろお手軽ですしね。

そして翌日は、足裏のリフレクソロジーです。こちらに関しては、都内のマッサージサロンに勤務している整体師の小林真喜子さんに指導を仰ぐことにしました。

小林さんいわく「女性のお客様で、便秘に悩む方は多い」とのこと。「個人的に便秘解消に有効だと思うのは、足裏のリフレクソロジー(台湾式)です。足の裏は全身の器官との関連が顕著で、それぞれの器官に呼応した“反射区”があります。土踏まず部分の反射区は小腸、その周辺は大腸と反射しています」

足裏リフレクソロジー

台湾式リフレクソロジーでは、実際の腸と同じような位置取りで両足裏に反射区があり、片足づつ矢印に沿って押していきます。

【右足】

上行結腸から横行結腸にかけて、矢印の通りに押していきます。

【左足】

横行結腸から下行結腸、直腸にかけて、矢印の通りに押していきます。最後、肛門の反射区で強めに2秒程度押し込むようにしましょう。

【両足の土踏まず】

結腸の反射区の内側、両足の土踏まずにあたる部分は、小腸の反射区です。手でゲンコツを作り、指の第一関節部分を、上から下へこすり付けるようにしてマッサージします。

まずは小林さんに、実際に反射区を押してもらいます。足裏全体のマッサージから、大腸(結腸)のラインをなぞり、それから小腸、そして直腸から肛門の反射区へ、ならすように押していく・・・ちなみに私の場合、土踏まず部分が張っていて、触っていても便秘体質であることがわかるそうです。そしてしばらくやってもらっていると・・・来た・・・かな?ということで大変失礼ながら「トイレ行ってもいいですか?」と一言。「したくなったときにトイレに行く」ことは便秘解消のイロハの「イ」ということは知っていましたので、恥を忍んで行ってみたところ・・・スッキリ!!本来なら明後日にならないと出ないはずなのに、しっかりと解消できました!

「足裏のコースを申込まれるお客様は、30分コースを選ぶ方が多いですね。30分の施術が終わってトイレに行く方は、実はかなり多いんです。常連さんの中には、途中で行かれる方もいますね」と小林さん。「足裏は、いろいろな器官に働きかけるものですが、最もわかりやすく効果が出るのは“お通じ”だと思います。もちろん個人差はありますけど、それまで丸い“コロコロ便”しか出なかった人が、足つぼによって長く健康的な便が生まれて初めて出たという方もいたほどです」とのこと。

後日、小林さんに教えていただいたリフレクソロジーを自ら実践してみました。やはりプロにやってもらうのとは違うのか、体験当日のように即座にお通じというわけにはいきませんでしたが、しばらくして便意を覚えることが多くなったのも事実です。

あとは食生活。振り返ってみると、これまでの私の食生活は外食が中心。そうすると、どうしても食物繊維が不足しがちになります。たまに自炊する際には「野菜を食べよう!」と意識することもありますが、スーパーで買うのは葉モノが中心。食物繊維を多く含む根菜はあまりとらず、ごぼうに至ってはどう料理していいのかわからないため、買ったことがありませんでした。また、「なんとなくダイエットしている期間」がけっこうあり、これも食事の量が少なくなるため、便秘になりやすいそうです。便秘は遺伝的な要素より、生活習慣によるところが大きいわけですね。

いったん便秘になると、一度改善したとしても食生活が乱れていたり、トイレを我慢する習慣がついていたりすると、しばらくしてまた便秘に…とリピートすることが多くなってしまいます。私は、今回体験したマッサージと、腸によい生活習慣を心がけて、脱・便秘リピーターを目指したいと思います!

Y記者の後日談

腸をいたわる生活を始めて、もうすぐ一か月。毎日とはいきませんが、1日おきにお通じがあることも珍しくなくなりました!便の色も若干薄くなった気がします。朝、昼、晩の食事も、なにか一品必ず腸に良いおかずを摂るよう心がけていますヨ!

“快腸”のコツ
腸を元気にするための、食と運動

日々の暮らしの中でも、ちょっとした工夫で腸を健康にしていくことができます。腸の働きを良くする食生活を心がけ、運動を取り入れましょう。

食:「食物繊維」と「乳酸菌」が肝心です

腸の働きを良くするものとして知られている食物繊維。豆類や穀物、野菜やきのこに多く含まれていますが、水に溶ける「水溶性」と水に溶けにくい「不溶性」の2種があることをご存じでしょうか。

「水溶性」の食物繊維は、ゆっくりと腸内を進み、脂質などの吸収も遅くなります。つまり“腹持ち”がよくなり、ダイエット効果も期待できるということ。悪玉コレステロールを吸って、そのまま体外へ排出する機能も備えています。一方、「不溶性」の食物繊維は、水に溶けずに“吸収”する作用を持っています。そのため、便のかさが増すことになりますが、その際に腸を刺激してぜん動運動を活発にするため、便秘対策には効果が期待できます。

こうなると「不溶性」のほうが整腸には良さそうに思えますが、いずれの食物繊維も大腸で分解される際、腸に棲む「善玉菌」を増やす特長を備えています。善玉菌が減少すると腸内環境は悪化するため、どちらの食物繊維も整腸には効果が期待できるといえるでしょう。

水溶性食物繊維を多く含む食材

わかめ、さといも、ごぼう、アボカド、納豆、昆布、なめこ など

不溶性食物繊維を多く含む食材

きくらげ、おから、モロヘイヤ、ごぼう、キャベツ、エリンギ など

次に「乳酸菌」です。先程触れた「善玉菌」の代表格といえる乳酸菌は、整腸作用を促し、腸の細胞を修復する効果も期待できます。代表的な食品としてはヨーグルトや牛乳、チーズなどの乳製品が有名ですが、発酵食品全般に多く含まれています。たとえば、毎日の食卓に上る味噌汁。さらにはしば漬けやたくあん、キムチなどのお漬物。お米にも含まれていますので、「ご飯、味噌汁、漬物、納豆」という日本の朝食は、とても腸に良い優れたメニューといえるでしょう。

ちなみに「朝ごはんは洋食派!」という方には、メニューに「皮付きのリンゴ」を加えるのがおすすめ。リンゴの皮の部分には、ペクチンと呼ばれる食物繊維が多く含まれています。このペクチンも、腸内の善玉菌を増やす効果が期待できる成分です。ちなみに、まだ熟し切っていないリンゴのほうがペクチンを多く含みます。

運動:ストレスを解消し、さらに腹筋を鍛える!

運動もまた、整腸のためには欠くことのできない要素です。運動をしてストレスを解消することが、まず最初の目的。ストレスと腸は密接に関わっていて、自律神経の乱れから便秘や下痢などの一因となります。さらに便秘や下痢が長引くのであれば、ストレスが引き金になった「過敏性腸症候群」という症状にもなりかねません。電車の中など、「したくなってもトイレがない」状況をイメージするだけでお腹が痛くなるようだと、過敏性腸症候群の疑いがあるため、医師に相談することをおすすめします。

そしてもうひとつ、腹筋も鍛えたいところです。よく「女性のほうが男性に比べて便秘になりやすい」と見なされていますが、過剰なダイエット、トイレを我慢する頻度、生理によるホルモン変動などの要因に加え、男性に比べて腹筋が弱いという要素も、原因のひとつに挙げられます。腹筋の弱さによる便秘のことを「弛緩性便秘」といいます。さらに腹筋が弱いと、腸が本来の位置よりも下がり気味(大腸下垂)になり、腸の機能が低下することにもなりかねません。

ワンポイント:腹筋のコツ

  1. 頭の裏で手を組み、腰痛予防のため膝を曲げる。
  2. 状態を起こす角度は、ほんのわずかでもOK。
    ※腹筋に力が入っていることが意識できればよい。
  3. 背中を床から浮かさない。
    ※猫背になっておへそを覗きこむように意識すると背中が浮かなくなる。

腹筋を鍛えることは、弛緩した腸を引き締めると同時に、「りきみ」の強化にもつながります。本格的な腹筋運動がなかなか続かない人は、「極力、歩く」「極力、階段を使う」ということを念頭に置くようにしましょう。