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“四月病”にご用心!!

「五月病」ならぬ「四月病」は、春先に特有の症状。ちょっとした工夫でできる対策をご紹介します。

春特有の症状“四月病”には、“ちょっとした工夫”で対応!

うららかな気候と、新年度が始まるにあたっての高揚感。一見すると、病気とは無縁に感じる4月ですが、健康に気をつけるべき点がいくつもあるということ、ご存じでしょうか?今回は、4月に起こりやすい症状の数々を、あえて“四月病”と呼んでみたいと思います。いわゆる「五月病」同様に、正式な病名ではありません。さらにちょっとした工夫でできる予防策も併せてご紹介してみましょう。

新しい環境が生むストレス対策に…
普段の暮らしに深呼吸を“ちょい足し”!!

4月といえば新学期や新入社、新しい部署に配属されたりと、とかく新しい環境が訪れがちな季節です。また、心機一転して何か習い事やスポーツを始めるといった方も多くいらっしゃることでしょう。

気持ちが充実しているために、あまり顕著に意識しないかもしれませんが、これまでとは勝手の違う慣れない環境に身を置いているうちに、おのずとストレスを溜めてしまうケースもあることでしょう。こうしたストレスは、いわば万病のもと。不眠症などにも陥りやすいため、どんどん悪循環にハマってしまい健康を害することも考えられます。

そんなストレス対策において最も簡単かつ効果が期待できるのが、深呼吸。なんだ、そんなことかと言わないでください。皆さん、深呼吸を最後にしたのはいつですか?郊外に出かけて自然の中にどっぷりと浸かったときは深呼吸するかもしれませんが、普段の暮らしではなかなかやらないという方がほとんどだと思います。深呼吸は、自律神経のうちの副交感神経の働きを促します。いわゆる“戦闘モード”といえる交感神経が優位な状態から、リラックスをつかさどる副交感神経に移行させてくれるきっかけになります。

そしてもうひとつ大事なのは「ストレスを意識する」こと。一見すると逆効果に思えるかもしれませんが、ストレスやイライラした気持ちは、その原因を冷静に把握することが大切です。逆に「パーッと飲んで忘れよう!」と思っても、実は忘れられずに心に少しずつストレスが貯まっていくことのほうが多いといえます。どんなことがあり、どんな気持ちを抱いたのかをつぶさに自分で考えたり、日記などに書いてみましょう。恨み言を書くのではなく、客観的に書くことが大切です。

どちらかというと躁状態で過ごす4月。ここでストレスが蓄積されると、その反動で鬱な気分を伴う「五月病」に陥りやすくなります。4月のストレスは4月のうちに、正面から向き合っておくことが大切です。

気温差がもたらす春のイライラに…
お茶をジャスミンに“ちょい替え”

冬を越えたから風邪は引かないだろう、と考えてしまうのは禁物!春は、3日寒さが続いたら4日温かい日が続くといわれる「三寒四温」の季節です。他にも「花冷え」や「寒の戻り」など、4月の冷え込みを表した言葉もあります。温かい日が続いたから、心機一転して衣替え。でも寒さがぶり返してしまうことによって風邪を引いたりするケースが増えるというわけです。そういえば、昨年も4月に東京で雪が降りましたよね。

もうひとつ厄介なのは、気温差が心の健康にも作用するということ。人間の身体は移り気な気温に対応しようと頑張りますが、その時に活躍するのが自律神経系です。自律神経は心のバランスをつかさどる機能も持ち合わせていますが、そちらに手が回らなくなって、不安感やイライラ、そわそわ、憂鬱な気分に陥りがちとなってしまうのです。

そんな春のイライラ対策として、普段の飲み物をちょっと替えてみてはいかがでしょう。おすすめは、ジャスミン茶です。「茉莉花(まつりか)」という生薬名を持つジャスミンはイライラを鎮め、精神を安定させる作用があります。さらにウーロン茶やプーアール茶と同様に“温”の食材でもあるため、身体を温める作用も持ち合わせています。

また、冷蔵庫に1本、セロリを“ちょい足し”しておくのもおすすめ。セロリは精神を安定させてイライラを解消する食材のひとつです。香り成分にも効果が期待できるため、食べる際はより香りを堪能しながら食べてみてください。

ポカポカ陽気の眠気対策に…
普段のご飯に雑穀を“ちょい混ぜ”

「春眠暁を覚えず」の言葉どおり、春は眠気を感じやすくなる季節。うららかな日差しの中、コックリコックリと舟を漕ぐようにうたた寝する気持ちよさは格別ではありますが、仕事に追われる日々の中では、なかなかそんな余裕はありませんよね。

春に眠くなる理由は諸説あり、先に述べた「自律神経の乱れ」が影響していると言われています。また、春になると身体が目覚め、冬場よりも活動的になってエネルギー代謝が増えます。その代謝に必要不可欠な栄養素がビタミンB群です。ビタミンB群が不足すると、疲れを感じやすくなったり、眠気を覚えるようになります。

ビタミンB群を摂取できる代表格は、豚肉です。普段、カレーやから揚げ、ハンバーグなど、普段は牛肉や鶏肉を使うところを、あえて豚肉に変えてみるのもひとつの手。そして玄米などの雑穀もまた、ビタミンBを豊富に含んでいます。かつて大正~昭和にかけて、ビタミンB1不足から生じる「脚気(かっけ)」が流行しましたが、ちょうど日本人の食生活が玄米から白米に移行した時期と重なります。当時はおかずも乏しかったため、ビタミンB1不足に拍車がかかったといえそうです。

春の眠気対策として、普段ご飯を炊く際にひとつまみないし、ふたつまみ、雑穀を混ぜてみてはいかがでしょう。

歓送迎会での胃腸酷使対策に…
お味噌汁の具をシジミに“ちょい替え”

年末年始同様に、春も歓送迎会やお花見などで、飲んだり食べたりと胃腸を酷使しがちな季節です。お肌が荒れることはもちろん、胃腸の機能低下はさまざまな影響を及ぼします。

意外と知られていないのは、「ストレス」の助長にもつながるということ。ストレスが貯まると、体内では“ストレスホルモン”と呼ばれるコルチゾールの分泌量が増えます。このコルチゾールを分解する役割を果たしているのが肝臓です。ご存じのとおり、飲み過ぎ食べ過ぎの際には肝臓がフル稼働していますので、コルチゾールの分解が効率よくなされず、ストレスがうまく解消されないことになります。

そこでオススメしたいのが、肝臓の機能を円滑にするオルニチンを含んだ食品。その代表格といえるのがシジミです。昨今、オルニチンといえば疲労回復効果が期待できるものとして取り上げられていますが、春に生じやすいストレス対策にも、ぜひお味噌汁の具をシジミに変えるなどして、積極的に摂取してみてはいかがでしょう。もちろん、意識的に脂っこいものを避けたり、十分な睡眠を取るといった基本的なことも忘れないでくださいね。

春の健康診断対策は…
付け焼刃の対策は効果なし!

春は健康診断の季節でもありますよね。身体のメンテナンスや健康に対する考え方のとっかかりになりますので、とても重要といえます。しかし一方で「肝臓のガンマ値を下げたいから、診断の前だけ禁酒する」といったこともたまに耳にすることがあります。正直言って、効果はないといえるでしょう。身体は正直ですから、普段の生活がそのまま反映されます。付け焼刃の対策などをせずに、洗いざらい自身の健康を測りましょう。

ただし、「視力検査」については、ちょっと事前に配慮することも大切。検査の前日、もしくは直前にパソコンを長時間やったりと、疲れ目の状態が視力に影響するケースも多々あります。対策によって本来の視力よりも上がることはありませんが、下がった数値が出てしまうことはあるのです。

対策としては、事前に目を酷使せず、しっかりと睡眠をとること。読書をするときも、目と本との距離や姿勢に気をつけましょう。そして当日には、“なるべく遠くをみる”ことを意識すること。別に100km先の山をみなくてはダメ、というわけではなく、数m先の樹木などでもOKです。

“四月病”のひとつに挙げられる「はしか」

体調を崩しがちな4月から5月にかけて流行るのが「麻疹(はしか)」です。麻疹といえば、子どもがかかる病気と思われがちですが、子どもの頃に麻疹をやっていない人は、大人であっても注意が必要です。麻疹特有の重い症状に太刀打ちできる策がなかった昔は、「麻疹は命定め」と言われていたほどです。

ではなぜ、春に流行するのか?その一因といわれているのが、やはり「新しい環境」です。大学の講義や会社の研修など、大人数で集う機会も増えますよね。そうなると、麻疹の感染症ウイルスが存在する確率が増え、免疫がない方がその場で空気感染してしまうケースが増えるというわけです。

麻疹は「治療する」というよりは「症状を緩和する」療法が行われています。対策として効果的なのは、やはり予防接種です。その予防接種も、1回のみ行った人と2回行ったことのある人では、感染の確率が変わってきます。現在、若年層の中には、「1回のみ」の予防接種、もしくは1回も受けていない方もいるため、近年になって「大人の麻疹」がクローズアップされるようになりました。

麻疹は子供がかかるものと見なさずに、まだ罹患したことのない方は、一度ぜひ医師の診断を仰いでみてください。