養命酒ライフスタイルマガジン

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もっと快適に!お風呂充実術

今月のテーマは「入浴」。心と身体をくまなくリラックスさせて、さらにお風呂タイムが充実するためのコツをご紹介します!

ひと工夫するだけで、お風呂タイムがさらに快適に!

一日の疲れを癒すお風呂タイム。皆様はどのように過ごしていますか?シャワーで手短に済ませるよりも、湯船につかることで新陳代謝が促され、身体に良いことがたくさんあります。たとえば、冷えや肩こりに効果的だったり、お湯の水圧で血の巡りが良くなってむくみが解消できたり、浮力の作用で心身の緊張が解かれて副交感神経が優位になり、心地よく眠ることができたり。そんなお風呂タイムをさらに充実させるためのちょっとしたコツを、いくつかご紹介してみましょう。

しっかりケアして元気に!“冬の半身浴”のコツ

みぞおちの下まで38、39度くらいのぬるめの湯に30分程度浸かって、身体に負担をかけずに発汗を促す「半身浴」。様々なメディアで取り上げられ、その効果が謳われていますが、冬場に半身浴を行う際に気を付けたいことがいくつかあります。

まずは浴室の寒さ。半身浴をしていると、湯に浸かっていない部分も次第にポカポカとしてきますが、過度の寒さに上半身がさらされるのは避けたいところです。入浴前にシャワーを浴室の壁などにかけて浴室全体を暖めることがまずひとつ。また、肩が冷えないように乾いたタオルを上半身にかけておき、熱くなったら取るようにしましょう。半身浴をする前の「かけ湯」も、全身にかけてしまうと上半身に冷えを感じてしまうので、湯に浸かる部分のみにすることがオススメです。

リラックス促進のコツは、“腹式呼吸”にあり

おへその下、下腹部あたりに両手を添えて軽く押さえながらの腹式呼吸は、日常の呼吸よりも深く呼吸することができます。まずは、鼻でゆっくりと息を吸い込み、お腹を膨らませるようにします。もう吸えないと思ったところで息を3秒程度止めてから、今度はゆっくりと吐ききります。息を吸う時よりも、吐く時にじっくり、ゆっくり吐くことに集中することがコツ。そうすることで副交感神経が優位になり、神経の高ぶりが抑えられて心身がリラックスモードに入ります。快適な睡眠を得たい方は、ぜひとも実践してみてください。

湯船にアロマオイルでリフレッシュ効果をさらに高める

鼻で香りを楽しみつつ、香り成分を肌からも取り入れることができ、さらなるリラックスを促します。アロマオイル(精油)は1回30分程度の入浴で3~5滴くらいが適量。肌が弱い方はもっと少なくてもOKです。アロマオイルは水に溶けないので、よく湯船をかき混ぜてから入りましょう。ぬるめのお湯に長く浸かる半身浴には特に向いています。

“これから寝る”夜の入浴にオススメ

  • イランイラン
  • ラベンダー
  • ローマンカモミール
  • フランキンセンス

“これから起きる”朝の入浴にオススメ

  • ジャスミン
  • レモン
  • ベルガモット
  • ローズマリー
  • ローズ

お風呂でできる、発汗&冷え取り運動

お風呂ですべきことは、“ただリラックスする”こと。そのため、ストレッチなどをするにしても、ごく簡単で辛くないものにとどめないと、逆に体力や気力を消耗して本末転倒となってしまいます。足先の冷えや足首のこわばりを感じている方は、足首から先を前後に動かすことがおすすめ。最小限の動きですが、お風呂で心拍数が高まっているため、5分くらい続けるだけで、半身浴中はじっとりと汗をかいてきます。血行促進効果も期待できますよ。また、腰に冷えを感じている方は、おしりをなるべく動かさないようにして上半身を左右にひねるストレッチがおすすめです。

お風呂家電やブックスタンドなどで、快適空間を演出

お湯に浸かってリラックスする日本ならではの入浴。疲れを取り、リラックス効果を高めるためには、自らの“好みの空間”を作り上げることも大切です。
現在は、さまざまな快適アイテムが登場しています。半入浴中に読書を楽しみたい人に向けた「バスブックスタンド」をはじめ、防水仕様のポータブルDVDプレイヤーや音楽プレイヤー、ラジオなどの“お風呂家電”も昨今は充実。浴室を暗くして楽しむプラネタリウムなど、自分がいちばん快適に過ごせるスタイルを模索して、いろいろと取り入れてみてはいかがでしょう。

台所にあるモノを、お風呂で活かす!!

最近は、多種多彩な入浴剤が出回っていて、「今日は何の香りにしようかな♪」と楽しむ方も増えています。もちろん、それら入浴剤も心身をリラックスさせてくれますが、台所にあるような身近なモノにも、入浴剤の代りになるようなモノがあるんです。
※肌が過度にピリピリしたり、合わないと思った場合は使用を止めましょう。
※浴槽の材質等によっては浴槽を傷める可能性がありますので、ご注意ください。

ミカンの皮

冬の味覚、ミカンも利用することができます。といっても実の部分ではなく、皮。熟したミカンの皮を数か月間に渡って陰干ししたものは「陳皮(チンピ)」という生薬になります。数か月も置かずとも、1週間ほど干して硬くなった皮をガーゼなどに入れて、浴槽に浮かべましょう。皮から分泌される精油の作用で、湯冷めしにくくなるといわれています。

欧米では“バスソルト”として一般的です。日本にも、塩化ナトリウムを含む温泉は至る所にあり、ミネラル成分が身体に作用して発汗を促し、保湿や保温効果が期待できるといわれています。浴槽に入れるものとしては、ミネラルが豊富な天然塩、もしくはあら塩がおすすめ。結晶が大きくて溶けにくい場合は、いったん洗面器などに熱湯を入れ、そこに溶かし込んでから浴槽へ入れるとよいでしょう。一般的な家庭の浴槽ですと、200gが目安です。
また、アロマオイルと共に使う方法もおすすめ。天然塩50g(入浴1回分)をガラスのボウルに入れて、そこに精油を3滴程度落としてかき混ぜます。それをお風呂に入れるだけでOKです。

日本酒

お風呂に入れることでリラックス効果を高めるといわれているのが日本酒。お肌から取り入れることで保湿を促す効果も期待できます。目安としては、3合程度。お酒の匂いはそんなに漂いません。ただし、お風呂に入る前や、湯船に浸かっているときにちょっと一杯・・・というのはダメですよ!血管が拡張して心拍数が高まるため危険です。

お手製“バスボム”を作ってみよう!

炭酸ナトリウム(重曹)を主成分とした発砲タイプの入浴剤「バスボム」。シュワッとした炭酸ガスは毛細血管を刺激し、血行促進効果が期待できます。自分好みの香りで調合することができるので、お風呂タイムがいっそう楽しく、リラックス効果も高まること請け合いです。材料はいずれもドラッグストアやスーパーなどで売っていますので、ぜひ挑戦してみてください。

材料 2個分

重曹 大さじ4
クエン酸 大さじ2杯
コーンスターチ 大さじ2杯
植物性グリセリン 小さじ1
アロマオイル(精油)
ラベンダーとゼラニウム
合わせて5滴
クッキーの型

1. ボールに重曹、クエン酸、コーンスターチを入れてよく混ぜます。別の容器では、植物性グリセリンと精油を混ぜておきます。

step01

2. ボールの中に、植物性グリセリンと精油を混ぜた液体を少しずつ流し込みながら、全体がしっとりするように手で揉み合せます。この時、手早く作業することがポイントです。

step02

3. クッキーの型に入れて強く押し固め、ラップでくるんで数時間~一晩乾燥させればできあがり。押し型があると簡単に型抜きできます。クッキーの型がない場合は、ラップにくるんでおにぎりの要領で強く丸めるだけでOKです。混ぜ合わせる段階で食紅を少量入れると、色つきのバスボムとなります。

step03

なぜ起こる?お風呂場のヒートショックと対策

昨今よく耳にするようになった、ヒートショックという言葉。暖かいところから寒いところへ移動したり、冷えた身体で熱い湯に入ったりする際に血圧が乱高下しておこる現象で、主に冬場に頻発します。特に年齢の高い方や高血圧な方ほど気をつけねばならない現象です。

心臓に負担がかかるヒートショックは、心筋梗塞などの原因になることもあります。たとえば、寒い浴室に入ったときにゾクッと寒気を覚えたこと、ありませんか?これもまた、軽度のヒートショックといえます。頻繁にそういった状況になるのであれば、なんらかの対策を打つことが大切です。

ヒートショック対策の基本としては、まず入浴前に脱衣所や浴室を暖めること。昨今は脱衣所用にコンパクトなヒーターも登場しています。浴室は、入浴前に温水シャワーを出しておくと、蒸気で室温が上がります。浴槽のふたを開けて、そこにシャワーを注ぐようにすると、より効果的です。

逆に蒸気が一番少ないのは、家族で最初に入る「一番風呂」のとき。なんとも気分の良いものではありますが、年齢の高い方は、冬の一番風呂はなるべく避けたほうがよいといえます。また、浴槽に浸かる前の「かけ湯」も、衛生面だけでなく血圧の急上昇を防ぐ働きがあります。足元や手先など、身体の末端部分からお湯をかけて、最後は心臓部分にかけ湯をするようにしましょう。